進撃ss

□泣き虫へーちょ
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机の上に置いてあった金平糖が、なくなっている

20個はあったと思われる金平糖が…なくなっている

あの人の金平糖が……なくなっている


「あの…ハンジさん」

「なんだい?」

「ここに置いてた金平糖、食べましたか?」


空になった本来金平糖が入っている袋の前に座っていたのはハンジさん

状況からするに、犯人はこの人しか考えられない


「へ?あぁごめんね!甘い物欲しくてさぁ!ちょーっとだけ食べようって思ったら全部平らげちゃって!」


アハハッ!と、さも悪気がなかったかのような笑いで事を済ませようとしている

いや、俺も別に怒ったりはしないのだ

確かに貴重品である砂糖をふんだんに使った金平糖は高く、あまり一般人には買えない

だが、だからと言って誤って食した人を責める程、俺の心は狭くはない




「………やばい」

「へ?」



そう、改めて言うが
“一般人には買えない”品物なのだ、金平糖とは


して、この金平糖は俺の所有物ではない



「おい、エレン」

「っ!!」

「あ、リヴァイ!」



……来てしまった


この今やハンジさんの胃袋の中である金平糖の“所有者”が



「何サボってやがる…てめぇの掃除はこの隣だろうが」

「あぁいいんだリヴァイ!どうやらエレンの金平糖を私が完食しちゃったみたいでね!エレンはそれを確かめに来ただけなんだよ!!」

「はははははハンジさん!!!!ちっ違います違います!!!」



期待を裏切らず、ハンジさんはいとも容易く地雷を踏んだ


どうやらハンジさんは勘違いをしているらしい
俺の金平糖を自分が食べてしまったと思っている



…違うんです、それはリヴァイ兵長のなんです!!!



「金、平…糖」


その言葉にハッとして、兵長へ視線を移す


彼は呆然とした表情をして、無残にも中身が空気だけとなってしまった金平糖の袋を放心状態で見つめている


「あれ?リヴァイどうしたの?」

「…ハンジさん、違うんです…違うんですよ…」


状況を理解していないハンジさんは至極不思議そうな様子だ

俺はというと、気が気じゃなくソワソワと兵長の様子をうかがっている


何故かと言うと



「お、れの…っこん、ぺーとっ…!!」



兵長は、泣き虫だからである



「ええええええ!!?ちょっリヴァイ泣いてんの!!?えっ、リヴァイ、ファッッッッ!?!!?」


「へ、兵長!大丈夫ですよ!次市街地行った時に買いましょう!ね?」


「やだっ、今食べたい!!掃除終わったら、自分にご褒美って、思ってたのに…!!う、うぁ、あぁぁぁぁ…!!」



ボタボタと涙を落とし、それは止まる気配を見せない


ハンジさんは依然として動揺している



…まぁ、無理もないと思う

兵長が泣き虫しなってしまったのは、俺が調査兵団に来てから
しかも、俺が居る時だけである

何故かは全く分からないが…



「ハンジさん、とにかく今は戻っていて下さい」

「えっ?え、あー…大丈夫なの?」

「はい、何とかしてみせますので」

「んー……分かった。ごめんねエレン、リヴァイ」



さすがのハンジさんも罪悪感が否めないようだ

部屋を出しな、チラチラとこちらを見て申し訳なさそうにしていた


あの様子だと、直ぐに市街地に金平糖を買いに行きそうだ




…さて、


「兵長、落ち着いて下さい」

「う、っひ、こんぺ、と…」



数時間前、兵長は掃除に行く際大切そうに金平糖の入った袋を取り出し、一粒嬉しそうに食べていた

その時話を聞いてみると「残りは掃除終わった時にとっておく」と、無表情に、しかし少しにやけながら言っていた


この兵団に入り、兵長の監視下となった頃からというもの、兵長は俺だけに見せない性格を見せてくれた


それが“甘党”“意外と表情筋働く”“泣き虫”である



全て表の兵長では無縁であるこの3つは、俺としては今やこれあってこその兵長となっている

そして、俺の前でしか見せない為か、俺はそんな兵長の扱い方に大分慣れてしまった



「今日は俺が淹れた紅茶で我慢して下さい、」

「っう、ん……、こんぺ、とー…」

「多分今頃ハンジさんが買ってきてくれてますよ。明日まで我慢です」

「…わか、った…」



機嫌を少し取り戻してくれた

まだひゃっくりが止まっていないが、ひとまず落涙がマシになっている



「…エレン、に、」

「?」


「っエレンに、食べさせたかった、な…」


くっ、こんな可愛い三十路がいていいのか!!

こっこれはエレリフラグか…?エレリフラグだろ、そうだエレリだろ!!!


遂に!ネコを卒業し兵長にそのタチポジションを奪う時がきたのでは!!!



「…兵長…」


「…ん…」



自ら口を近づけて、キスを促す

目元を腫らした兵長は直ぐに気づき、唇を寄せる


いける…主導権を今日こそ握れる予感が!!



「っん、ふ…!?ぁ、はっ…!!」


と、思ったのだが

早急に舌を入れられ、絡め取られ
呼吸がままならなくなってきた

激しい舌の動きに翻弄され、足に力が入らない



あれ、おかしいな、あの状況でそうなるのは兵長であり俺ではないはず…なんだけど


そう思っている最中にも舌は蠢き続け、遂に腰が抜けて足がガクンと支えきれなくなってしまう


咄嗟に手を俺の後頭部に回した兵長は、そのまま口の中を弄ぶ



「んんっ…!っふ、はぁっ…!!は、は…」


「…コッチで俺に叶うなんざ百年早ぇよ」




さっきまで泣いていた可愛いらしい顔はどこへやら


今ではもう、いつもの兵士長様の端正なるお顔に戻っていた



「…金平糖」

「っ!!!」



そう呟けば、兵長の顔はまた歪み、目が少しウルッとし出した


「…明日になれば食べれるから、いい。我慢する」



まるでやせ我慢のようだ


薄く涙の膜を張らせた瞳をそのままに、兵長は足早に部屋から出て行った




…金平糖、そんなに好きなのか


とにかく今買いに行ってるであろうハンジさんに、今から降りかかる兵長の足蹴りを想像して、同情の意を込めて合掌した














――――――――――


泣き虫な兵長大好きですうわあぁぁぁぁぁぁペロペロペロペロ

リヴァエレですよ!泣き虫な兵長でもリヴァエレですからね!

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