I WANT YOUR LOVE AND PLEASURE

□君だけ
1ページ/2ページ



「エレン、こっち向け」


「いっ、あぁ!ぁ…」


挿入したまま、グルンと体制を変えさせてエレンと向き合う形にする

ネックレスは既に外されていて、室内には今夜も甘いエレンの匂いが充満していた


「ぁっ、や、ふあァ!んぅ…」


「……」



いつもはそのエレンの匂いに酔って、そのまま血を貪り、イき狂うくらい甘やかして抱いていた

だが、今日はそうならなかった



いつものように、知り尽くしたエレンのイイトコロを重点的に攻めて、快楽に溺れさせる。
だが、そこには気持ちも何も無かった





原因は、エレンがいつまでたっても上の空な事


そうなれば、俺もあまり気持ちが乗らず、そして機械作業のようになってしまう





思えば今日の夜帝館で少し目を離した後こいつが戻ってきたあの時からおかしかった
何を喋っても軽い返事ばかりで、何かあったかと聞くと「何でもありません」と即座に返す


そんな見え透いた嘘などバレバレだった
伊達にこいつと一緒に暮らしていない



「、なぁ、エレン…」


「ひ、あぁ!ぁ、あァ、」


「お前、何を考えている?何に囚われてんだ?」


「やっ、んあっ、ふ…っ」



律動を一旦止めて、エレンに耳元で囁きながら問いかける


それにビクッとしたこいつは、まるでその声から逃れるかのように顔を捩らせた


さらけ出された首筋に食らいつきたくなるが、今はそれを我慢してエレンの返答を待った



「な、でも…ありま、せっ…」


「…エレン」



ここにきてまだシラを切るつもりか

敵が反抗的なのは嫌いではないが、こいつが俺に反抗的なのは好まない

エレンは俺に従順なように育てたのだ、この俺直々に




「エレン、答えろ。」


「…いや、です」


「…俺はお前が苦しんでるなら、共有したい。お前が何かに悩んでいるなら、知りたいし同じ思いを抱えたい」



お前もそうだろ?
といって抱きしめてやる

肉がつきにくいこいつの身体はか細くて、キツく抱いたらすぐ折れてしまいそうだ



随分卑怯な方法だ、とは自分でも思う

家族が俺しかいないこいつは、俺に甘い言葉を囁かれたら素直になることなど分かり切っている

熟知した上での寸法だ



「…リヴァイ、さ、が…」


予想通り、エレンは喋りだした

細っこい身体を震わせて、俺の背中に手を回しながら


より促すために、エレンの頬をペロリと舐める


「リヴァイさん、は…吸血鬼の、純血種だから…」

「……、」


「俺なんかと、こんな事してたらいけないって…こんな関係、ダメだって…思って」


「…夜帝館で何か言われたのか」


「……」


コクン、と頷いた

何に悩んでいるのかと思えば、その手の事か

前も俺の嫁がどうとかで嫉妬していたが…
こいつは随分種族の違いに不安を抱いているらしい


「でも、その人達が言ってる事も正しくて…」

「…俺はお前しかいらねぇ。前にも言っただろ?」


「けど、それじゃあ世継ぎが生まれない…!貴方は、あなたの吸血鬼社会を引き渡していかなくてはいけない人だから…
俺とこんな事してても、何もならない…!」



右手で顔を覆って、悲壮になりながら叫ぶエレンの姿は、何とも痛々しかった

垣間見える綺麗な黄金の目は潤んでいて、泣くのを堪えているのがすぐに分かる


あまりにも儚くて、そのまま消えてしまいそうだったのでエレンを抱え直しまた抱きしめた



「…だから、高校終わったら、ここを出ようと思って…。ネックレスと替えの隠血香があれば、1人でも生活していける、から…」



「……あ゙?」



暖房の効いた室内が、一気に冷たい空気に包まれたように感じた


一瞬、聞き間違いかと思った

目の前のこいつから、自分から離れるという言葉を聞くなんて、ありえないと思ったから


俺から出た地を這うような低い声に、エレンがビクついたのが肌越しに伝わってきた



「てめぇ、もう一回言ってみろ」


「ぇ、あ…の、」


「俺から離れるっつったのか?あぁ?」



プツリと、何かが頭の中で切れる音がした


寝室の窓のガラスが、パリンと音をたてて割れる



「リヴァ、さ…ッアァァァァ!?」

「そんなの、許さねぇ」


抱きしめていた上半身を離して、投げ出されていた足をガバッとM字に大きく開ける

挿入されたままだった接合部がすぐに露わになって、そのまま上下運動を開始すればエレンから喘ぎ声が聞こえた



「やっやだぁ!リヴァイさっ、あァァァ!ひっ、や、ぁっ!!!」


「お前は俺のモンだ、絶対ぇどこにもやらねぇ」

「ァっ、リヴァイさっ、リヴァイさん!!あし、やあぁぁっ!いたい、いたいっ!!ひうゥゥッ!!!」


「痛いのもキモチイイんだろ?お前淫乱だもんなぁ、エレン」



膝をエレンの耳隣までつくくらい反らせて、エレンの性器を右手でクチュクチュと擦ってやる


エレンからも丸見えなこいつの性器はまだ白濁が出るらしく、溢れてくる液に羞恥からかエレンは目をそらす

それを許さないとばかりに、エレンの顔をガッと掴み目下の性器が見える位置に固定する



「ほら、よく見ろエレン。お前は俺にシタの孔掘られてチンコ擦られて、こんな感じてんだ」


「あぁぁ!やっ、やだっ、みせな、で!ひあァッッ!!!」


「やらしいなぁ、エレン?てめぇは誰にでもこんなになんのか?」


「ち、ちがっ、あァァ!!」


「外に1人で出て、どうすんだ?前にネックレスしてても吸血鬼に襲われそうになったの忘れたか?俺が居なかったら餌にされてたぞ、お前。」



グチュグチュと接合部から白濁が絡み合う音が聞こえる


先程割れた寝室の窓から冷たい夜風が入ってきて、室内を冷やしていく

ピリピリした殺気とも言える苛立ちが、空間を膨張させガラス類やカーテンに亀裂を走らせるは純血種の特性だ



それが出てしまうほど、俺はエレンの言葉に絶望を抱いた


こいつが俺の元からいなくなってしまうなんて、考えられなかった

考えただけで胸焼けがして、気持ち悪くて、おかしくなってしまいそうになる



「…お前は俺ナシでは生きていけねぇ。お前は一生俺と居て、俺のそばで働いて、俺の為に血を捧げ身体を捧げる。そうだろ?エレン」


「んあァァッ!!ひ、ぅあっ、ぁふっ、」



思うままに腰を動かして揺さぶっていた


「ぅ、ぅあ゙、ひっ…」


そしたら、呻きのような…“泣き声”が目の前から聞こえてきて、ハタ、と律動を停止させた


否、動けなかった


仕置きと称した行為以外で、こいつを泣かせた事なんて無かったから



「エレ、ン…?」

「ぅ、ひっ、あ゙ぁ、」

「…エレン、エレン」

「ゔあぁ、ぁ、ひっ、ぁ゙…」

「エレン、エレンすまない、エレン」



本格的に泣き出したこいつを咄嗟に抱き上げて、背中をさすって何とか宥めようとする


しかしエレンは一向に泣き止まず、俺は焦りと戸惑いを覚えていた



ー…こいつの話を聞かずに、貪ってしまった


その事に後悔して、しかし気づいた時にはもう遅く


抱きしめた身体を労って、慰める事くらいしか俺にはできなかった

不器用な自分の性格を、とても呪いたくなる

「すまない、エレン、話をちゃんと聞かねぇで」

「、ひっ、ぁ゙…」


「ただ、俺は種族とか関係なく、エレンと一緒にいたいんだ。
お前がいなくなる生活なんざ考えらんねぇ、吐き気がする
俺にはお前が必要なんだ、大切なんだ。だから…

出て行くなんて、言うな。言わないでくれ」




そう言い、エレンの肩口に顔を埋める

こいつのいい匂いがしたが、それで空腹を感じないほど頭はエレンの事でいっぱいだった



こいつがどこかへ行って、誰かの前で笑い生活をするなんて堪えられない


何百年と生きてきたが、こんなに入れ込んだ奴はこいつが初めてだ


人間と吸血鬼、それこそ老いにも寿命にも差があり、必ずこいつは俺より早く死ぬ

それでも、俺はこいつと最後まで一緒にいたい


そんなふうに思えるやつは、エレンだけなんだ



エレンがいなくなる恐ろしさに身体を震わせる

すると、ふわ、と頭に手が乗っかる感触がした



気がつけば、エレンに頭を撫でられていた



「リヴァイ、さん…」

「…悪ぃ、エレン」

「いえ、…リヴァイさんにそう言ってもらえて、嬉しいです」



顔を覗くと、泣き跡は見られるがエレンは微笑んでいて
いつもの、俺を癒してくれるエレンに戻っていた

「ごめんなさい、泣いちゃって…」

「お前は悪くない、俺が悪い。俺が話聞かずにしちまったから…」


「…確かに辛かったですけど、もう、大丈夫です」


頭の上を左右する手の動きが心地良くて、されるがままに撫でさせる

俺も、エレンを抱く腕を緩める事はなかった



「俺、不安なんです。いつかリヴァイさんが、俺を置いて誰かの元へ行っちゃうか、捨てられるのが」


「…んな事、絶対にしねぇ」


「…でも俺はやっぱり人間で、しかも男で
リヴァイさんの子供も、産めな、い…」



語尾が小さくなるのが聞こえ、また泣いているのかと思い顔を上げれば、やはりエレンは泣いていた

はらはらと、静かに


「そんな俺でも、ずっとそばにいてくれますか…?」


肩口から顔を離し、エレンの頬に伝う涙を舌で拭う


「…当たり前だ。ずっとそばにいる」

「捨てたり、しないですか?」

「しない。お前とずっと一緒だ、エレン」


「リヴァ、さ…」



安心したような顔をするエレンの唇に触れるようなキスをする




それを合図に、また雪崩れ込むようにしてベッドに倒れた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ