ガンダムW

□十五夜
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起きた頃には夕方。
日も沈みかけている。

水を飲もうとキッチンへ行けば、既に団子もできている。
だが、肝心の本人がいない。

デュオ自身はリビングのソファで眠っていた。

そっとデュオの額にキスをする。
すると、デュオの顔が穏やかになる。

「デュオ、目を覚ませ」

「ん……ヒイロ?」

「月見をするんだろう。ならもう日は沈んだ」

「そっか、なら支度するか」

団子をタッパに詰めて、デュオのバッグにいれる。
服装はといえば、ヒイロはいつもの短パンにタンクトップ。
デュオは黒い教会服。

鍵をしめ、二人は手をつないで歩く。
表情はデュオもヒイロも柔らかく、嬉しそうだ。
途中コンビニへより、お茶を買う。

デュオに手を引かれ、連れてこられた場所は、街が一望できる大きな開けた丘の上。

「こんな所があったのか」

「あぁ、誰にも見つからないぜ」

もう、丘の上に月は出て月光が二人を映し出す。

タッパを開け、ヒイロと団子を食べる。

「オレの腕も大したもんだろう?」

「あぁ、美味い」

ヒイロが微笑む、その姿にデュオはドキッとする。

(なんつー顔をしやがるんだ)

「デュオ、顔が赤いが大丈夫か?」

「あぁ……大丈夫だ」

地面に寝っ転がり、月と星を見上げる。

「地球から見る星と月オレすきなんだ。宇宙からじゃ、はっきり見えすぎて……」

「そうだな」

そう言って、デュオを抱きかかえ、キスをする。

「ふっ………ん…」

長く、長く………



甘く柔らかなキスだった。
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