鋼の錬金術師

□3色の虹
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「なんか騒がしくないか?」
「あぁ、そろそろ金もってトンズラこくか」

少女を強姦する前に強盗もしていた。
だが、一瞬窓の外が赤く閃光を放つ。
「っ、なんだってんだよ!」
そして勢いよく扉が開く。
「このご時世に杭だけしか打たないなんてあなたたちは馬鹿なんですか?」

両手に鋼の銃を握る。
「そんな、ツイストが…」
ハイデリヒは錬金術が苦手で銃撃の方が得意。
ホークアイ直伝の銃。
それがいまでは軍部ホークアイの次の鷹の目と称されるが、一般的にはツイストと呼ばれるようになった。

二丁拳銃。そこからツイストとついた。

「ねぇ、ボクの兄さんは何処にやったの!」

パンッパンッ!

ハイデリヒがついに堪えきれず男達の肩の関節目掛けて銃弾を放つ。
勿論避けられる訳無く肩からは血が流れ、動けない。
「さぁ、答えろ。鋼のは何処だ」

「今頃奥の部屋で寝てるさ。生きているのも時間のう………」

失神。構わず奥の部屋へ駆け込む。
大きなガラスケースにエドが裸体で苦しそうにもがいていた。
右腕左脚の機械鎧が取られていて動きたくても動けない。

そのガラスケースには太いパイプが繋がっていて巨大な機械が作動している。

「「carbon dioxide」」

ハイデリヒ、アルの声が被る。
「まずい、二酸化炭素発生装置だ。ガラスケース内の酸素の量は少ない。」

「……たい、さ……アル…ハイデ………」

そのままエドは意識を失った。
「「「くっ!」」」

焔の錬金術、アルの錬成、ハイデリヒの銃撃。三つを同時に放ってもガラスは割れない。

(っ、あそこになんかパネルがあるのに)

ガラスケース内のエドが動いた。アルが気付き近づく。「何兄さん!」
指を指す。

そこにはパネルがあって
(code number.)
と記されていた。
「そんな、コードナンバーなんて……」
ハイデリヒは何かに気付いた。
「マスタング大総統。中佐を捕らえた奴らの仲間が刑務所にいたはずでは?」

「そうか!アルフォンス!奴の死刑囚番号覚えているか?」

「1432です!」
ハイデリヒが颯爽と番号を入力。だが
(error)と表示された。


何が違うと頭をフル回転させる。


奴の誕生日か?いや、違う。では何だ。恋人か、奴にはいない。

確か兄さんはウィンリィにシルバーブレスレットをもらってたような………

「兄さん!ウィンリィから貰ったシルバーブレスレットのメモリアルナンバー言って!」

「…………」

「聞こえない。大きく」
「4562169」
「ありがとう、ハイデリヒさん!」

ハイデリヒはパネルの桁数を確認する。大丈夫、七桁だ。

「4562169」

入力し終えると赤く点滅していたランプは緑へと変わりパネルには
(release.device)
と表示された。

「兄さん!」
ガラスケースを破壊しエドを抱き上げる。

「よかった、本当に」
「大丈夫ですか?エドワードさん」

碧い瞳のハイデリヒと黄金の瞳のアルがエドに抱き着く。
「にぎゃぁぁ!わかった、わかったから離してくれ。ごめん、オレのせいで巻き込んで。大佐じゃないや、大総統。ごめん」

「大丈夫かね、鋼の。別に少女も無事だからいいのだが君は?」
「一応。だけど車椅子が欲しい。自分で機械鎧付けると痛いから」

「それじゃ、とりあえず僕がおぶって軍部に帰ります」
そう言うとハイデリヒは自分のコートをエドに着せておぶる。

「悪いなハイデ………」
「何言ってるんですか、僕なんかもっと助けられてるじゃないですか」

そう二人の世界から除外されてる残り物二人は呆れていた。

そうして少女、国家錬金術師国軍中佐強姦事件は幕を閉じた。
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