ガンダムW

□気は抜いちゃいけない
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冷蔵庫を開ければ、買い置きをしてた食料が減っていた。

「さすがに買いに行くか、ちょうど四時だし」

テーブルの上に『買い物に行ってくるぜ☆by Duo』

と書き置きして家を出た。
家にはオレとヒイロ二人で住んでいる。
今ヒイロはリリーナ嬢のところでガードマンみたいなことをしているらしい。
オレは相変わらずジャンク屋だけど…

だから大半の家事はオレがやっていたりする。
ヒイロもできるけど疲れているはずだから……

「さぁて、いっちょ行ってきますか」

ちゃんと鍵を閉めてでる。
ここは12階で見晴らしがいい。
そしてエレベーターを使って降りる。

途中で止まり四人の男が入ってきた。

(あーあ、こんな狭いところで野郎しかいないのか)

心に中で呟いて1階へつき、降りた瞬間、体を押さえつけられ鼻と口をガーゼで塞がれる。

「んんっ!?」

必死で暴れるが羽交い締めにされ、床から足が離れる。
男の方が背が高い為デュオは浮く。

だんだんと意識が薄れ、暗闇へと誘われる。

すまないヒイロ……
ドジっちまった……

そんな言葉が浮かび上がるがそこから意識を保つことは今の彼にはできなかった。


俺が帰ってきたのは七時頃。
書き置きを見たがあまりにも遅い。

「デュオ、一体どこまで…」

家からでて探しに行こうとした刹那、電話が鳴り響く。

「もしもし」
『デュオ・マックスウェルはオレの所にいる』
「お前は誰だ」
『ガンダムに恨みがあってな、それにお前ヒイロ・ユイにもだ。お前が早く来なければコイツがどうなるか…』
『う……っぐ…』

デュオの呻き声。かなり声がかすれているようにも聞こえた。

「デュオ!」
『ヒイロ…来るなよ。わりぃ、気が抜けてたみたいでドジっちまったぜ...』
「それは...」
俺も同じだ、そう口を開いた瞬間に耳をつんざく音が受話器から聞こえる。随分と聞き慣れた音だった。


『ぐあぁぁっっ!』
『コイツを殺されたくなければこのポイントへ来い、一人でだ』

送られてきたのはここからそう遠くない、ある廃墟だった。

「デュオ…待っていろ」

コートを羽織り、家を出て走り出す。
過酷な訓練を積み上げてきた彼の脚はスピードが早い。

「死神と謳われたパイロットがこんなあっけない終わりなのか、笑っちまうよなぁ?」

左大腿を靴で踏みつけられるそこは、先程銃で撃たれた所だ。止まらない血が流れ彼の白い大腿を汚していく。

「ッ……」

激痛が奔るが声は出さない。せめてもの奴らに対する抵抗なのだ。

「声だしゃ楽になんのになぁ」

「はぁ…ッ、っく……生憎オレ、男の子なんでね…」


最大の意地を見せる。
肩で息をするように忙しそうに動く。男は笑い右肩に照準を合わせる。もう何が来るかは分かりきっているがこんな状態じゃどうしようもない。そして引金は引かれた。


「うっ!……ぐ…」

デュオは上から両手を吊るされ床に座る形に拘束されている。

「その減らず口はいつまで続くかね」

デュオの足元には少しづつ赤い血だまりができていく。時間が経ったものは既に黒い。

右肩からも鮮血が
流れる。
(すまねぇ、ヒイロ…)



デュオの周りを四人の男が囲む。




「なんだよ…オレを殺すってか?」

無理に笑顔を作る。
きっと歪んでいるに違いないが…

「死ぬまで…いや、死んでも犯し続けるって楽しそうだと思わないか?」

ニタリと笑うその表情に悪寒が走る。

「何を…する気だ?」

「まぁ、玩具だしな。お前ら全部剥がせ」

まさか………

「やめっ、やめろっ!!!!離せ、やめろぉぉぉっっ!!!!」

体が震えて止まらない。
ヒイロ以外に触れられたくない。
触れられてたまるか!
必死で暴れる。

「ちっ、まだこんな力があったのか…」

だが抵抗も虚しく服もズボンもナイフで切られる。
はらはらと服だったものが落ちていく。
そして生まれたままの姿にされた。

「いやぁ……」

デュオの瞳から涙が落ちる。

「気が飛んじまうぐらい気持ちよくなるぜ」

男が何やら注射器を取り出しデュオの左腕にさす。
無理矢理デュオを押さえ込み注射器の中の液体を入れる。

「やめろっ!いやだあぁぁぁぁっっっっ!!!」

液体を入れ終わったのか注射器を抜く。
押さえ込まれていた体は今は支えがなく、くたりとする。

「はぁ…っ、…何を…打ちやがった…」

「あー、強めの媚薬だ」

すぐに良くなる。
そう言われてから急激に体が熱くなる。
目もはっきりと見えないぐらい頭がぼうっとする。
そして突然胸の飾りを摘まれ引っ張られる。

「ふあぁぁっ!」

背中が反れる。
急激な快楽に爪先が熱いと感じてしまう。
体の痙攣が止まらない。

「こりゃすごいな、あとは好きなようにして構わない。遊んでやれ」

主犯格と思われる男が部屋から出ていく。そして待っていたかのように他の男三人がデュオに襲いかかる。

「あっ!っくう……んやあぁっ!」

下も上も弄られ、耳を噛まれ、胸の飾りを摘まれ弄られ、下の方では口に含まれている。
薬のせいでどこもかしこも性感帯となり、口が開きっぱなし。

「いや、やめぇ……さわっ、な…で…」

最悪の事態が起こる。

「っッ!?」

後ろに指が宛てがわれる。

「お願っ…それだけはっ、やめぇっ!」

ならされていない所に指を挿入された。激痛が走る。ヒイロならこんな荒くしない。
ヒイロの顔が浮かぶ。

「いやああぁぁ!やだっ、ひぃ、ろ...ヒイロっ!」


ポイントの場所へ着いた。
とても古く壊れかけた教会の廃墟。

ここにデュオがいる。
大扉を開けようとしたとき、悲鳴がきこえた。

確かに今、ヒイロ、と。

「くそっ!」

扉を開ける前に落ち着かせる。
そして大扉を開けばフロアの奥に男が一人いた。

「やっと来たか、01パイロット」

「俺に恨みがあるのだろう、なら何故俺を攫わなかった?」

「クハハッ!人質、ましてや仲間の02を見捨てることは出来ないだろうからな」

それを聞いてからヒイロはゆっくりとその男の元へ向かって歩く。

「これ以上近づくな、お前を撃つぞ」

「撃ちたいなら撃て。俺はもう誰も殺さない」

発砲したと同時にヒイロは走り出し、男の後ろへまわって気絶させた。
奥の大扉を開けば、悲惨な光景だった。
服はナイフで切り裂かれ、両腕は天井から吊られ、暴行の痕に切り傷、髪もゴムが取られ床に茶色い長い髪が垂れている。
男共の吐き出した欲望の臭いが部屋に充満していていられたものじゃない。
何より、デュオの体からは血が流れている。放置すればいくら元ガンダムパイロットだからといえども死んでしまうだろう。

怒りが募る。

「おい!ボスをどうした!」

「死にたくなければそいつを早く離してここから消えろッ」

持っていた銃を男たちに向ける。
デュオから手を離したが、ヒイロと殺りあうようだ。

「構わん、撃て」

四人一斉にヒイロへ向かって銃を撃つ。だが、戦闘経験はヒイロの方が上で弾には掠りもしない。

「はぁっ!」

殴りかかって気絶させていく。
そして、静かになった部屋にヒイロとデュオが残る。

「ヒイロ……」

しばらく目を合わせていたが、デュオは突然泣き出す。
それを優しく抱きしめる。

「すまない、遅くなった」

「正直に言えば、怖かった」

頬に静かに涙を流す。
デュオを拘束する器具を外し、止血する。二箇所も撃たれている。
正直、目の前にデュオがいなかったら、男供を撃ち殺していたかもしれない。

だが、もう二度と人を殺さないと決めたんだ。

「あぁ、あったかい。ヒイロ、お前はこんなにもあったかいんだな」

ヒイロの胸に顔を埋め、静かに泣く。
安心させるようにデュオの背中を撫でてやる。

「ほら、帰るぞ」

ヒイロの着ていたコートをデュオに着せる。
だが、綺麗な白い脚が見える。
気にせず、ヒイロの首にしがみつく。
お姫様抱っこの状態で、デュオ連れ帰る。

廃墟を出た時は既に暗く、月や星々も見えていた。
デュオはその風景を見ながら、ゆっくりと目を閉じまどろみの中へ落ちていった。

家について、すぐさま風呂を沸かしながら暖かいシャワーをだす。
ヒイロ自身の服も脱ぎ、デュオが着ているコートを脱がす。

二人の体は冷えきっている。
お湯を少しづつかけていきならす。
デュオの体をよく洗ってやる。
柔らかく、優しく。

それが擽ったいのかデュオは目を覚ました。

「あれ、ヒイロ。もう家の風呂か」

「あぁ、動くな。洗ってやる」

「さんきゅー」

そしてまたデュオは動かない。
だが、口は動く。

「なぁ、ヒイロ」

「何だ?」

「風呂出てから………」

ヒイロの耳元で囁く。


オレを抱いて、めちゃくちゃにして


ヒイロは優しく抱きしめる。

「いいのか?第一お前の体が持たないだろう」

「だって……体が熱くてどう仕様もないし、ヒイロとシたいし…」

確かに少し辛そうだ。
顔も赤く、息も荒い。

「いいだろう、ただし辛かったらすぐに言え」

「ありがとう、ヒイロ」

体を洗ってもらった次に、頭も洗ってもらう。

長いデュオの髪を彼が痛くないように洗っていく。
彼はいつもシャンプーとリンスしかしないようだが、トリートメントをつけてやる。

いっぱいいっぱいにあったトリートメントも彼の髪に使えば半分以上減る。

シャワーで石鹸を全てきれいに落としてから撃たれた部分は外に出すと一緒に湯船に浸かる。

「あったけー」

「ゆっくりあったまれ」

気づだらけの体には痛いだろうに。

「あー、オレこのまま寝そうだわ」

デュオが風呂の淵に頭を乗せる。
時よりおっさんみたいな声が出ているが気にはしない。

「別に寝てもかまわんがやらんぞ」

「冗談だってば…ぜってぇ…寝な…」

最後まで言葉を言わずに眠りに落ちた。

これで終わりにはしないからなデュオ。
さんざん煽っといて…


これからが始まりだ。

これから始まる彼らの続きはまた別の話である


End

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