鋼の錬金術師

□2色の雨
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6月の雨。アメストリスは少し肌寒いそれが二週間続いている。

そして、ソファで退屈そうに雑誌を読んでいる金の長髪の少年。エドワード・エルリックは額に小さく血管が浮き出ている。

「何兄さんそんな不機嫌そうな顔して。どうしたの」
優しい振る舞いで誰からも愛される弟アルフォンス・エルリック。

「どうしたもこうしたもねえよ!何でずっと雨続きなの!」

「ボクに聞かないでよ。梅雨なんだものしょうがないでしょ」

口を尖らせてアルを見つめるエドの瞳はとても妖艶で綺麗だ。
そんなこと勿論本人に言えるわけがない。言えば即座に怒りの鉄拳がとんでくるだろう。
(勿論ボクは喜んで受けるけど)

「何かアル顔が緩んでるぞ。どうした?」
あぁ、まずいこの顔は見られたくなかったなぁなんてアルは思う。

「何でもないよ、ねぇ兄さん。今からゲームしない?」
「お、いいね。何やンの?」
「トランプでスピードやろうよ」

少しの間が空く。正直なところエドはスピードが弱い。幼い時はいつもアルにまけていた。

「何兄さん。最初から弱気?勝った人の言うこと聞いてもらうからね」

「それは聞いてな」

「今決めた。どうする?負け認めちゃう?」
これは兄としての威厳がある。弟には負けてられない。

「あぁ、受けて立つぜ」

「勝負は一回戦。いいね」
「望むところだ!」

こうして21歳と20歳の大の大人のトランプゲームが始まった。

だがまだこのときアルが何をたくらんでいるのかは誰も知る由がなかった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄はじめまして、雷羅夜空です。初めてですがよろしくお願いします。
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