百人一首

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「ザキ、ザキっ」
「なんですか、沖田さん」
「好きでさァ、ザキ」
「っ…知ってますよ」
「顔真っ赤なくせに、偉そうに」
「関係ないじゃないですか」
「お前は、俺のこと好きかィ」
「そんなこと、知っているくせに」
「俺は、ザキのこと、ザキのことだけ愛してまさァ」
「うぅ〜…俺も…沖田さんが、好きです…よ……」





沖田さんはいつも愛してるといってくれる。
でも、それでも俺は不安でたまらない。
だって、やっぱり局長や副長と沖田さんはなんだかんだいっても仲がよくて、俺なんかより深く繋がっているし、沖田さんはカッコいいから、女子からもかなりモテる。
そんな人が、年上のこんな地味で特にたいした特技もなく況してや男といつまで一緒にいてくれるのだろうか。
沖田さんは、一生一緒にいる、ずっと愛してるといってくれる。
嬉しい、物凄く。

あぁ、俺はいつから沖田さん無しには生きられなくなってしまったのだろうか。
こんなに不安なら、愛されている今日のうちに死んでしまえたらいいのに、そしたら俺は沖田さんにとって永遠の存在になれるだろうに、愛されたまま死ねるのに。
そんなことを考えても、意味はない、だっていまはそれよりも、一分一秒でもながく沖田さんと、共にありたいと思うから。



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