壊れた世界、希望の国
□第二章
1ページ/3ページ
「こりゃ酷ェ…」
通報を受け、現場に到着した真選組
現場に入るなり、沖田は愕然とした
店内は滅茶苦茶
椅子はあらぬ場所にひっくり返っており、料理は散乱
扉は外れ、窓ガラスは割れていた
しかし、それよりもまず目を引くのは
店内の
『色』だった
壁は真っ赤に染まり、天井までも赤色になっている
そこは、まさに赤い部屋
足を一歩踏み入れれば、床に流れ出た血液で歩く度にピチャリと音がした
強烈な匂いも鼻をつく
その生臭い匂いは、決して料理のモノではなく、動物から出る特有の匂いだった
沖田は腕で鼻を覆うと、あまりのに酷い光景に顔をしかめ
最も赤いテーブルに近付いた
後ろでは、隊士達が耐えきれずに嗚咽をもらしている
見れば、そこには三個の物体
物体と言う言葉が適切なソレは、最早人間ではなかった
「こいつァ…化け物にでも襲われたのか…?」