空を仰ぐ

□第四章『世間話もほどほどに』
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「だが、俺達が銀時の元に行くと村人は、皆倒れていたんだ。死んではいなかったが」

桂は遠くを見て、話を続ける。

「俺達は尋ねた、お前がやったのか?と…するとあいつは『覚えていない』と答えたのだ。不思議だろう?もしかすると、あの時すでに白夜叉が居たのかもしれないな」
「おい、テメェ等三人は同じ塾だったってことか?そしてそのまま、攘夷戦争に参加したと」

桂は静かに頷くと表情を少し暗くした。

「何故、戦争に参加した?なんでテメェ等は今、別々に行動をしているんだ?」





















【過去の話は割愛】

太字で大きく、その文字が書かれたプラカードを持って現れたのは、エリザベスである。

「…エリザベス!!リーダーは!?リーダーは大丈夫なのか!?」
【とりあえず一命は取り留めました】

ちょっと誇らしく見えるエリザベスに、新八は安堵の表情を浮かべ笑顔になった。

「…神楽ちゃん。良かった…本当に…」

生きてくれた。頑張ってくれた。
これは涙が出るほど嬉しいことだ。

それに、神楽が生きていたことは銀時の為でもある。
もし別の人格であるという白夜叉の仕業であるなら、銀時は神楽が死んでしまったら、それこそ精神を崩壊させそうだからだ。

「チャイナ、あの傷でよく無事でしたねェ」

まったくだ。
夜兎族の回復力はすごい。
神楽と初めて会った時も、バイクでひかれてもピンピンしていた。

「…おい、チャイナ娘が助かったのは良い報告だが。割愛って何だ割愛って!!」
「土方さん、そこはわかってやりましょうよ、過去の話なんかしたら、ただでさえ長い小説が更に長くなりますぜィ」
「そういうことだ。…俺達の過去はいろいろあった」
「……」
「以上だ」
「以上だ、じゃねェだろォォォ!!意味わかんねぇよ!!…つか何!?微妙に過去の話に触れたくないだけだろ!!」

「うるせーなァ…土方さん、そこは空気読むべきでさァ」
「ここで話をせずとも、いずれわかることだ」
「えぇ!?そんなんでいいのかよ!!」
「話すと長くなるから、な?エリザベス」


エリザベスは、コクりと頷いた。





 
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