アビス
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「あーもーつまんなーい!!」
変わり映えのない景色にアニスが遂に発狂した。
変わらない景色と変わらないモンスター達との戦闘。
さすがのフィオナも飽きていた。
「大佐ぁ。なんかおもしろい話して下さいよぉー。」
「そうですねぇ・・・。では、シュレーの丘と呼ばれる由縁でも。」
『あ、それ気になります!』
フィオナは興味津々な様子でジェイドの隣まで歩く。
皆もジェイドの話に耳を傾けた。
「今も昔も、この辺りは国境線を巡って戦争が繰り返し行われてきました。七百年程前にも、この辺りで大きな戦があり、その時の死者は積み上げると山程の大きさになったと言います。当時高名であった譜術士のシュレーは、死者達を弔う為に彼らの遺体の音素を組み替え、丘を作り上げました。」
「ちょ、ちょちょちょちょちょっと待って下さい!!それって、じゃあ・・・この辺りは元々・・・」
それ以上はアニスも続けられず、皆は絶叫する。
ティアに至っては失神してしまい、フィオナも腰が抜けてしまった。
「おやおや。仕方ありませんねぇ・・・」
『ッ〜〜〜そんな話だなんて知りませんでしたッ!!!』
フィオナは真っ青のままティアが目を覚ますのを待つ。
・・・今すぐ動けと言われれば動けないのは自分も同じなのであまり大きな事は言えないが。