フェアリーテイル

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エドラスから帰ってきて早一週間


「ねぇ、シルフィア」

『なに?ミラ』


カウンターでユキと昼ご飯を食べてるとミラが小さくつぶやくように耳元へと口を近づけてきた


「S級クエストの依頼が来たわよ」

『!』


ミラの手にある紙には討伐系のクエストの依頼書がある


『火口に住む竜?』

「まさかイグニールじゃないと思うけど…ナツには黙って調査に行ってくれない?」

『…いいよ、今度も期待ハズレだったらナツ可哀相だし…』


ユキは私を見上げている


「私も行く!」

『危ないからダメ』

「もう危ないのには慣れてるもん!」


そう言われると返す言葉が見つからない
確かに鉄の森くらいからずっと危険な経験しかしてないや


「決まり!」


ニカッと笑ったユキの顔に頷くしか返事がない私ははにかんだ


「あれ?ミラさん、さっきまでシルフィアいませんでした?」


なぜかついてきたグレイもシルフィアを探しているのかキョロキョロしていた


「シルフィアなら今日はもう来ないわよ」

「どういうことだ?」


ミラさんは何かを隠しているみたいで含み笑いをして言葉を濁した


「秘密、ほら二人とも仕事にでも行ってきたら?」

「「……?」」


列車にゆられゆられ…約3時間
目的地の火山についた


『…ユキ…』

「…あい…」


二人して見上げた先にある山は頂上が見えなかったりしてます、はい
なにこの高さ?これの火口って高すぎるんじゃないの?


「あの…」

『「?」』


振り向くとちょうどウェンディくらいの歳だと思われる女の子がいた


「もしかして魔導士様ですか?」

『…え?』

「こら!ミハル!!」


駆け寄ってきた母親らしき人物に持ち上げられたミハルちゃん
母親は私を見て少し眉を潜めたあと近くの村へ走っていった


「なんだかあんまり歓迎されてないみたいだね」

『大方闇ギルドが何かしでかしたんじゃないの?とりあえずこの山登るならあの村で情報も集めなきゃいけないんだし…覚悟して行くよ』

「ラジャー」
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