BLEACH
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『う…あぁ』
遥は声にならない叫びをあげる
ずっ
嫌な音と共に、遥の体内から白哉の刀が抜かれた
刀はまっすぐ腹を貫通していた
刀が抜かれると、支えのなくなった遥の体は地面に倒れた
白哉は遥を冷たい目で見下ろし、去ろうとする
『待っ…て。お願い…だから、ル…キアを助けて…よ!う…ごほっごほっ』
遥は虚ろな目で白哉に懇願する
吐血量が多すぎる誰の目にも遥が死に至ることは明白であった
白哉は振り返ることなく瞬歩で消えた
(死に直面してさえ自分よりもルキアを気にかけるとは…。
どうしてあんなにも緋真に似ているのだろう。
あの女、多軌遥は…)
――--…‥
一人残された遥
まわりが水浸しなことがわかった
頬に触れる液体は生暖かい気がした
(…あたしの血か)