ONEPEACE
□シロップ村
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朝日を受けた広い海に2隻の船の影が落ちる。
影は穏やかな波に揺られている。
「ミラは、“グランドライン”から来たのよね。どんなところなの?天候とか海流とか?」
ナミの質問にミラジェーンは、グランドラインの天候を思い浮かべる。
『うーん。天候も海流も独特なんですよ。ナミも知ってると思いますが……
4つの季節の島があるから、たとえば夏島の隣に冬島があると、暑い気流と冷たい気流がぶつかりあったりするんです。
海流も同じでぶつかり合ってるから見極めるのは凄く大変なんですよ』
「あーそれは大変そうね」
『はい。それから、海王類や海獣やらがひしめいています…もちろん海賊も海軍も……だから、何が起きるか分からない、予想困難な海ですよ』
ナミはミラジェーンの話を聞いて、みるみるうちに不安の陰が顔に広がっていく。
「そう……今のままでは無謀だわ。このまま“グランドライン”に入るなんて!」
頭を抱えて思わず叫ぶ声は大きい。
その声に反応してルフィがうんうんと頷いていた。
「確かにな!この前、たわしのおっさんから果物いっぱい貰ったけど、やっぱ肉がないと力が……」
「食糧の事、言ってんじゃないわよ!」
ナミがルフィに叫んでいるとゾロも話に混ざる。
「このまま酒が飲めねェってのも、なんかつれェしな」
「飲食から頭を離せっ!」
ルフィとゾロにナミは怒鳴ってミラジェーンに泣きついた。
「ミラ!何なのよ、あいつら!何にも考えてないんだから!」
『まあまあ……ナミ。近づけばルフィ達も真剣に考えますよ。まだ、先ですし……ね!』
「ミラ、あいつらに甘いわよ!」
『え!?』
「あんた達、分かってんの!?私達が向かってる“グランドライン”は世界で最も危険な場所なのよ」