銀魂
□第一章
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「まったくさー、多串くん、本当に勘弁してよね。一人でお使いもできませ〜んってか??」
「うるせぇ。つべこべ言わず、さっさと歩け」
「はいはい、それが人にものを頼む態度ですかー??」
「まったく、何が真選組ネ。ただのだめマヨラある」
「うるせぇよ。チャイナ娘!!」
「はいはい、わかりましたから。みなさん静かに歩いてくださいよ。」
騒がしい集団だなぁ…
行きかう人々は皆そう思いながらこの奇妙な集団を見ていた。
「ったく、土方さん。なんでこいつらもいっしょなんですかぃ??」
「…こいつらのほうが内情知ってんだろうが」
「…はぁ、まじうぜぇ…土方死ね」
「どさくさにまぎれて、とんでもねぇこといってんじゃねぇ!!」
ぎゃいぎゃいやっているこの集団。
どうしてこのような集団で行動しているのかということこういう理由がある。
世間を騒がせた連続殺人犯が、吉原に逃げ込んだという情報を得たのだ。
吉原には吉原のルールがある。
そこに漬け込んだのだろう。
だが、連続殺人犯は連続殺人犯。
このままでは、吉原の治安も悪くなってしまうのでは。と、松平片栗虎が心配したのである。
いかにも…松平片栗虎らしい。
「ったく、松平のとっさんのためにこんなこともしなくちゃならねぇとはなぁ…」
「あー、上司に文句言ってらー」
「総悟、てめぇは黙っとけ」
「ほーらついたぜー」
銀時の声に顔をあげてみれば、そこには吉原の世界が広がっていた。