そしてジョルノは一つの指輪をななしの目の前に持ってきて、「誕生日プレゼントです。」と言った。
『うわぁ、綺麗……。』
ジョルノは指輪に見惚れるななしの手を取って、指輪をはめた。
「誕生日おめでとう。」
『あれ?ジョルノとおそろいなの?』
「はい。ペアリング買っちゃいました。嫌でした?」
『そんな訳ないッ、すっごく嬉しい。ありがとう!!』
しばらく指輪をうれしそうに眺めていたななしは、はっとしたように引き出しから何かを探し始めた。
『お礼とはいっちゃあ何だけど、はい、これ……この部屋の合鍵。』
顔を赤らめながら、鍵をジョルノにつきだすななし。
「いいんですか?僕がもらっても。」
『他に誰にやるのよ?』
「それもそうですけど。」
『今日みたいに外で待ってなくてもよくなるでしょ?』
ジョルノは誇らしげに笑ってそう言うななしが可愛らしくて仕方なく、思わず赤くなった顔を手で隠しながら言った。
「嬉しすぎます……。僕、ここに通いつめるかもしれません。」
あはは、と笑うななしはそんなジョルノの様子を見て、増やしていた仕事を減らそうかな?と思った。
そして同時にジョルノもしばらくは仕事をミスタあたりに押し付けようと考えていた。
『ジョルノ、また来てるの!?』
「おかえり、ななし。会いたくてまた来ちゃいました。」
『もうしょうがないわね。今からご飯作るからまっててね。』
そう言って台所に向かうななしをジョルノは追いかけてきた。そして料理をしようとするななしの腰に抱きついた。
『これじゃあ、料理できないんですけど。』
そう言ってジョルノの手を離そうとするななしの指にもジョルノの指にもあの指輪が輝いていた。
ようやくジョルノが手を離したと思うと、
「僕はこの幸せを味わってしまったので、もっと欲張りになりました。」
『どうゆうこと?』
「ななし、一緒に住みましょう。」
『えっ、いきなり何をいいだす?』
「ななしに拒否権はありませんよ。」
『本気で言ってるの?』
「僕はいつでも本気ですよ。これでずっと一緒にいられますよ。」
そう言ってななしのおでこに軽くキスを送った。
ななしがうれしそうに頷いたのは、そのすぐ後のこと。
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