「なぁお前たちって本当につきあってんのかぁ!?」
ブチャラティの外出中、残りのメンバーでお茶をしていたところ
いきなりミスタが言い出した。
ここでのお前たちというのは、もちろんブチャラティとななしのこと。
二人は結構長いこと恋人であるが、ブチャラティが幹部になってからというものの、お互いに忙しくてすれ違いが多々ある。
時間が空いても、恋人らしいことはせず妙な雰囲気で、リビングでお茶をしたり、テレビを見たりするだけ。
例えるならば、そう熟年夫婦のような雰囲気。
時々、空気の読めないナランチャが加わってせっかくの休みを3人で過ごす時もある。
そんなミスタの言葉にななしはいきなり声を荒げた。
『そんなの私が聞きたいわッ!!あの雰囲気は、まだ早すぎるよ。熟年夫婦だよ。もはや。』
「少なからずななしは、不満を感じているんだな。」
大人なアバッキオ。
「俺二人と過ごすの好きだぞっ。」
空気読めないナランチャ。
「ナランチャは黙ってなさい。フォーク刺すよ。」
ぷっつんフーゴ。
「まぁまぁ落ち着いてください。」
いつも通り冷静なジョルノ
『でも私は幹部になったブチャラティの足引っ張るようなことは、したくない。
ブチャラティが私に構うのがめんどくさいなら我慢するし、
もう私のこと好きじゃないってんなら、……あきらめるよ。』
「俺、ななしのそういう男らしいところ好きだぜ。」
ミスタのその言葉でななしはなぜかうつむく。
『好きなんて、もうずっと言われてない………。』
フォローのつもりが、逆に傷をえぐったミスタ。
無言の時がしばらく過ぎる。
「そうは言っても、ブチャラティはちゃんとお前のこと好きだって。
浮気してるわけじゃないんだろ?」
アバッキオがすかさずフォローをいれるが、ななしの顔は晴れない……。
「気晴らしに買い物にでもいってきたらどうですか?あっ、ついでに歯みがき粉も買ってきて下さい。」
「じゃあ俺のお菓子も買ってきてくれよ!!」
「じゃあ俺は制汗剤を頼む。」
フーゴの気のきいた提案と思いきや、フーゴもナランチャもミスタもななしをパシリにし始めた。
彼らには悪気は一切ない。
でもこんな時にまで、パシリにするとは、空気読めない奴ばっかだ。
『しょうがないわね。買ってきてあげるから。ジョルノ荷物持ち頼める?』
「もちろん、いいですよ。」
「この気前のよさもななしのいいところだよな」
アバッキオが一人呟くうちに、ななしとジョルノは二人で出かけて行った。
中心街へと向かい、着々と買い物を済ませ二人並んで歩く。
ななしも元気を取り戻したようだ。
「買い物も少し早く終わりましたし、少し散歩でもしていきましょうか?」
ななしに顔を向けながら、そう言うジョルノ。
するといきなりななしの足が止まった。
ジョルノはどうしたことかと、ななしの目線をたどると、そこにはブチャラティが知らない女性と一緒に歩いている姿があった。
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