「ななしの体は、あなただけのものではないんですから。僕のものでもあるんです。」
『あっそうなんだー。私それ初耳なんだけど。心配してくれるのは嬉しいけど、それは聞き捨てならんな。』
「今はまだ違うかもしれませんが、きっと僕のものにしますから。」
『ッ!かっ勝手に言ってればッ。』
ジョルノは愛の言葉を淡々と伝えるが
ななしにとってっこれは相当恥ずかしかった。
「要するに体は大事にしてください。こういうこと前にもあったでしょう。
でもななしは大丈夫大丈夫と言って……。」
『今回は本当にただの油断だって!そんな心配しなくても平気だよ。』
未だななしに反省の色は見られない。
本当にななしは強情だった。
「ごまかさないでください。今回ばかりは見逃せません。」
いつもとは違う真剣な雰囲気のジョルノが、ななしの目を真っ直ぐ見つめて言うものだから
ななしはなにも言えなくなった。
『えっ!!ちょっと……!!』
突然ジョルノがななしの後頭部と腰に手を回し、噛み付くようなキスをした。
『んっ、ジョ…ルノ!!』
今まで優しいキスしかされたことのなかったななしにとって、激しいキスは戸惑うだけでなくジョルノの怒りが含まれていることに気付いた。
あまりの激しさに抵抗を試みるが、そんなの無駄だった。
ようやく苦しさから解放されたと思うと、今度はななしのお腹に子供のようにジョルノが抱きついてきた。
「ななし…………。」
ジョルノがすがるような声で名前を呼ぶ。
その声はさっきまでの荒々しさはまったくなくて、今にも消えてしまいそうなほど弱く儚いものだった。
「僕はななしを失うことが、この世で一番怖いんです。自分が死ぬことよりなによりも。」
『ジョルノ……。』
「貴方が僕の目の前からいなくなって、もう二度と抱き締められなくなったらと考えるだけで、気が狂いそうだ。
ようやく想いが伝わったというのに、あまり心配をかけないでください。」
ごめん、とようやく反省したななしは、今日の任務の疲れからか、ジョルノに抱きしめられながらそのまま眠ってしまった。
ジョルノはそれに気がつくとななしのおでこに軽くキスをし、優しくななしを持ち上げて部屋へと運んだ。
「今日はお疲れ様でした。」
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