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□2012.10
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わかってる、今はあなたがあの子しか見えてないことくらい。

でも私は必ずあなたを振り向かせてみせる。





「ニョホホ!くまちゃんかわいいなぁ。」

『ジャイロいつまでそのくまと遊んでるの?』

「くまじゃあねぇ!くまちゃんだ!女の子なんだぜ、リボン付いてるだろ!?」


(ぐっ……!!かっかわいい…、くまちゃん。でもジャイロは渡さないッ!!)

くまちゃんの可愛さを認めたら負けな気がして、私はわざと冷たく応えた。

『ただのぬいぐるみじゃない。』

「ちげぇよ!おれの宝物だ!」

『どうでもいいわ。』

「冷てぇ女だぜ。」

『どっちがよ!?』


違う、あなたに冷たくしたかった訳じゃあない。私はただ…


『せっかく遊びに来たのに、かまってくれないのが悪いんじゃない…。』

するとジャイロは口角を上げて笑った。

「くまちゃん、聞いたかぁ?おれにかまってほしいんだとよ。」

ジャイロは顔が真っ赤になる私を見て、自分の方に私を引き寄せた。後ろから抱き締められて、耳元でジャイロが囁く。


「これからおたくのことも、たっぷり可愛がってやるよ。」


それからの2人は、床に寝転んだくまちゃんのみぞ知る。



───やっと素直になりやがったか、ぬいぐるみに嫉妬するなんて可愛いヤツ。






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