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□2012.09
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クラスにいるある女の子。

いつも昼休みになると、誰よりも早くに教室を飛び出していき、
そして授業開始ギリギリになると教室に戻ってくる。


彼女が去った後はたいていクラスの女子達が「暗い」だの彼女の陰口を叩いている声が耳に入ってくる。
僕は陰口とかがキライだからすぐに耳を閉ざすけど。


僕がなんとなく声をかけてみると、思いがけず意気投合してすぐに仲良くなった。
といっても、挨拶をしあうくらいだけど。

彼女は普段仏頂面だけど僕が声をかけると笑顔で返事してくれる。

それが物凄く可愛かった。



僕以外と話している様子はないから、僕は勝手に彼女の笑顔を独り占めした気になっていた。
この笑顔を知っているのは僕だけだと思っていた。

僕は日に日にもっと彼女を知りたくなって昼休みに後をついていくと、そこは屋上だった。



─彼女の目線の先には承太郎がいた。


そして真っ先に承太郎の方に向かっていった、僕に見せる笑顔とは少し違う、頬を赤らめて照れたような笑顔で。



僕はすぐに気が付いた。

───あぁ承太郎と付き合っていたのか。


僕は一歩も動けなかった。

僕の初恋は人生で初の失恋だった。





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