おいおいおい、お前俺のこと誘ってんのかよー。
なんでそんな恰好で俺のベッドで寝てるわけ?
ななしが俺がいないうちに来たらしく、お袋が勝手に部屋に上げてた。
だからって寝て待ってるか?普通。
「おい、起きろななし。…っほら。」
俺はななしの頬をぺちぺち叩いて起こそうとするけど、ななしはなかなか起きなかったから腕を引っ張った。
『ん……、えっなんで仗助いんの…?』
「いるも何も、ここ俺の部屋っすよー。」
『…?……あっ、そうだったそうだった。』
「でなんか用か?」
『別に用はないんだけど、しいていえば
ゲームしに来た。』
「ホント色気ねぇー。」
色気がないなんてウソに決まってる。
ななしは普段はサバサバしてるけど、そんなこいつにいつもドキドキさせられてるのが事実。
一緒に騒いでると思えば、ふとした表情が妙にエロかったり。
一応付き合っているけど、あいつが俺のこと男として意識しているとは思えない。
俺ばっかりドキドキして欲求ばっかり募っていく。
俺だって健全な男子高校生だ。
手は繋いだけどそれ以上はしていない。
もっと抱き締めたいし、キスもしたい、もちろんそれ以上も。
俺がそういう雰囲気に持っていこうとすると、いつもうまいことはぐらかされる。
このことを億泰のやつに言ったら、憐れみの目で見られた。
あいつ彼女もいねぇくせに……。
俺がそんなことを悶々と考えながらゲームをしていると、いきなりななしが叫んだ。
『あーッ!!また負けたッ!!なんで仗助なんかに負けなきゃいけないのよ!』
「なんかって……。俺あんま強くねぇのに負けるって、相当ななしが弱いってことっすよ。」
『言ってくれるじゃん……ッ!よし、もう一回やろう。』
「めんどくせぇー。」
『なんだとッ!!』
そう言ってななしが俺の胸ぐらを掴んできた。ホント喧嘩っぱやいなー。
別に俺にとって、ななしがおっかかってくるくらいどうってことないけど、わざと力を抜いた。
当然ななしは、俺を下にして床に倒れた。
『うわっ…、ごめん今どくからッ!』
ななしは俺の胸に手をついて起き上がろうとするけど、俺はそれを制すようにその手を掴んだ。
「なぁ、……そろそろ限界なんっすけど。」
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