4部

□ゆるい
1ページ/2ページ



おいおいおい、お前俺のこと誘ってんのかよー。


なんでそんな恰好で俺のベッドで寝てるわけ?

ななしが俺がいないうちに来たらしく、お袋が勝手に部屋に上げてた。
だからって寝て待ってるか?普通。






「おい、起きろななし。…っほら。」

俺はななしの頬をぺちぺち叩いて起こそうとするけど、ななしはなかなか起きなかったから腕を引っ張った。


『ん……、えっなんで仗助いんの…?』

「いるも何も、ここ俺の部屋っすよー。」

『…?……あっ、そうだったそうだった。』

「でなんか用か?」

『別に用はないんだけど、しいていえば
ゲームしに来た。』

「ホント色気ねぇー。」




色気がないなんてウソに決まってる。
ななしは普段はサバサバしてるけど、そんなこいつにいつもドキドキさせられてるのが事実。
一緒に騒いでると思えば、ふとした表情が妙にエロかったり。

一応付き合っているけど、あいつが俺のこと男として意識しているとは思えない。

俺ばっかりドキドキして欲求ばっかり募っていく。
俺だって健全な男子高校生だ。



手は繋いだけどそれ以上はしていない。
もっと抱き締めたいし、キスもしたい、もちろんそれ以上も。


俺がそういう雰囲気に持っていこうとすると、いつもうまいことはぐらかされる。

このことを億泰のやつに言ったら、憐れみの目で見られた。
あいつ彼女もいねぇくせに……。



俺がそんなことを悶々と考えながらゲームをしていると、いきなりななしが叫んだ。


『あーッ!!また負けたッ!!なんで仗助なんかに負けなきゃいけないのよ!』

「なんかって……。俺あんま強くねぇのに負けるって、相当ななしが弱いってことっすよ。」

『言ってくれるじゃん……ッ!よし、もう一回やろう。』

「めんどくせぇー。」

『なんだとッ!!』



そう言ってななしが俺の胸ぐらを掴んできた。ホント喧嘩っぱやいなー。

別に俺にとって、ななしがおっかかってくるくらいどうってことないけど、わざと力を抜いた。

当然ななしは、俺を下にして床に倒れた。




『うわっ…、ごめん今どくからッ!』


ななしは俺の胸に手をついて起き上がろうとするけど、俺はそれを制すようにその手を掴んだ。






「なぁ、……そろそろ限界なんっすけど。」



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ