4部

□片思い
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「おいッ!起きろ、着いたぞ。」


露伴にペチペチと頬を叩かれてななしが目を覚ましたのは、自分の部屋ではなくて露伴の部屋だった。



『あ…、寝ちゃっててごめんね。すぐ帰るからさ。』

「待てよ。ソファに座ってろ。」


そう言って露伴はキッチンへ向かったと思うと、濡れたタオルを2枚持ってきた。

一枚は「これで目を冷やせ。」と言ってななしに渡し、もう一枚で露伴自らしゃがみこんでななしの足を拭きだした。


『ちょっとッ!!汚いからいいって!』

「その汚い足でうちをうろつかれても困るんだよ。」

『あぁそっか、ごめん…。』

「別に謝らなくたっていい。」


そう言って露伴は手をやめることなく、沈黙の時間が過ぎていた。




「それで、お前はなんで泣いてたんだ?」

沈黙を破ったのは露伴だった。
それにななしは苦笑いをして答えた。

『あー、私振られちゃったの!二股かけられてたみたい!』

「そうだったのか……。」

『いやもう気にしてないよ。……でも本気であいつのこと好きだった………。』

「……。」



そう言ったっきり顔を上げないななし。
すると露伴はいきなりななしの手を取って、






「ぼくはお前がずっと好きだったッ!!いや、今も好きだ。だからそんな奴のことなんか忘れちまえッ!!」


突然の告白に呆然とするななしに見つめられて、露伴ははっとしたように耳まで真っ赤になってゆく。

「……別にお前を混乱させたい訳じゃあない。自分がななしの弱みに付け込むようなずるい奴だってのは、もうわかってる。
でもぼくの気持ちをしってほしかったんだ。
ぼくの好きな人はななしなんだ。」



露伴につられてななしも真っ赤になっていた。


『……すぐには無理かもしれないけど……、前向きに考えてみるよ。』

「あぁ、ゆっくりでいい。」

『露伴、ありがとね。』

「でももう遠慮はしないから覚悟しとけよ。」











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