4部

□想像以上に
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『先生、デート行きましょうよ!』

「うるさいッ!!今は仕事中だ。見てわからないか!?我慢もできないだなんて、君は本当にお子さまだな。」

そう言う露伴は、ハッとななしを鼻で笑った。

『といっても、2歳しかちがわないじゃないですか!?18歳なんてもう大人ですよ。』

「高校を卒業してから言うんだな。」


こんな2人でも、一応恋人同士なのだ。
元々ななしがピンクダークの少年のファンで、露伴の家に押し掛け、通いつめて今に至る。


『それがかわいい彼女に言う言葉ですか?』

「可愛い?誰のことをいっているんだか。」

『むきぃぃぃ!!!』

怒りをむきだすななしの顔は、お世辞にも可愛いとは言えないがそんなななしが露伴は愛おしかった。



―ある日

ななしは学校が終わって家に帰ろうとしたが、校門の近くに一台の車が停まっているのを見つけた。

絶対に間違えない。あれは露伴の車だ。

走って車に向かうと、車に寄りかかって立っている露伴がいた。

『先生、いきなりどうしたんですか?』

「遅いじゃあないか。待たされるこっちの身にもなってくれ。」

『いやいや、勝手に来たのそっちだからね。』

「原稿が仕上がったんだ。お望みどうりデートに連れていってやるよ。」

フフンと自慢げな態度でそう言う露伴に少し呆れながらも、ななしは嬉しそうに車に乗ろうとした。





「待ってくださいッ!!先輩!」

いきなり聞こえたその声にななしが振り向くと、そこには息を少し弾ませた仗助がいた。

『仗助ッ!!そんなに急いでどうしたの?』

「ななし先輩、屋上で一緒にサボった時にケータイ忘れていったんすよ。」

『本当ッ!?ありがとう、仗助。助かったよ。』

仗助に笑いかけるななしと、一瞬目が合っただけで、仗助は顔を赤くして下を向いてしまった。
その様子に気がついた露伴は眉をひそめる。


「オイッ!早く車に乗れよ。」

「えっ!先生と先輩ってどんな関係なんすか?」

『あー、一応付き合って……ます。』

それを聞いた仗助は驚いて目を見開く。

「そういう訳だ。じゃあな。」

『じゃあね、仗助。』

2人を乗せた車が走っていくのを、拳を握り締めながら仗助はずっと見ていた。






「お前、あの仗助と仲いいのか?」

『うん。なんか授業サボるといつも屋上にいて、話すようになったんだ。仲良いと思うよ。』

「あんなろくでもないやつに関わるんじゃあない!」

『は?なんで先生にそんなこと言われなきゃなんないわけ!?
仗助、普通にいい子だよッ!!』

「あぁそうかい。君は僕の言ったことは信じなくて、仗助の肩を持つんだね。」

『そこまで言ってないじゃん!!』

「・・・気分が変わった。ななし、ここで降りろ。」

『はぁ!?なに言ってんのッ!?』

「いいから早くしろ。これは僕の車だ。権限は僕にある。」


露伴は冷たい目で真っ直ぐ前を向きながら、ななしを見ようともしないで言った。
そんな態度にいつもは強気のななしも泣きそうになったが、ぐっとこらえて無言で車を降りた。



『先生のあほ…、ばか…、頭おかしいんじゃないの……。』

泣きながら女子高生が歩いている姿は、通りかかる人々の格好の的になっていた。



すると、いきなり後ろから声をかけられた。

「先輩どうしたんすか?ここ俺んちの近くなんすけど。露伴の奴とどっか言ったんじゃないんすか!?」

『仗助……、ムカつく!!露伴ッ!!』


泣きながら怒りをあらわにするななしを落ち着けようと、仗助は近くの公園にいくことを提案した。







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