銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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真選組、見廻組が万事屋に襲撃してから数日後。

銀時は、桂のアジトの縁側でボォーとしていた。
何かを考え込んでいるのか出された饅頭にもロクに手を出さない。

「銀時元気なかが」

陸奥は、銀時の様子を見ながら心配そうに呟いた。

「うむ、やはりリーダーたちとのことが堪えたのではないか?」

桂がボソッと呟く。すると、高杉が前に出た。

「クククッ、仕方ねぇ。俺が元気付けてやるよ」

桂と陸奥が見守る中、高杉は意気揚々と銀時へと近付いた。

「高杉で大丈夫だろうか?」

「とりあえず銀時を傷付けたら始末するぜよ」

桂と陸奥は口々に言うと、高杉と銀時を見つめた。

高杉は、銀時のそばに行くとゴホンっと咳払いをする。
銀時は、気付いてないのか無視しているのか一切反応をしなかった。

高杉は首を傾げる。そして、もう一度咳払いをした。
銀時は、反応しない。

高杉はムキになり、咳払いを続ける。

「ゴホンッ……ゴホンッ、ゴホゴホゴォボロロロ」

仕舞いには、咳き込み過ぎて吐いてしまう。
辺りに異臭が漂う。
銀時は、流石に眉を寄せて高杉を見た。

「ぎ、銀……どうしたゥボロロロ」

高杉は、銀時が視線を向けると吐きながら話しかけた。
銀時の眉間に皺が出来る。

「いや、どうしたは俺の台詞じゃねぇ?ってかお前大丈夫?特に頭ッ!!」

銀時は辛辣な言葉を高杉に向けた。
高杉は袖で汚れた口端を拭い懐から煙管を取り出して吸う。

「大丈夫?いったい何のことだァ?」

どうやら先ほどのことはなかったことにするらしい。
今更格好をつけても無駄なのだが……

銀時はまるで馬鹿を見るような目で高杉を見つめた。
しかし、高杉はその視線をものともせず、煙をはいた。



「銀、やっぱり悲しいか?」

高杉は、空を見上げながら呟いた。銀時は目を見開きなんで分かったんだといった様子で高杉を見つめた。
「クククッ、いいか銀。確かに別れは悲しいかもしれねぇ……けど、テメェは自分でそれを決めたんだ。なら、割り切るしかあるめぇ」

高杉の言葉に銀時は俯かせた。

「あの馬鹿。慰めるどころか逆じゃないか!!」

「やはり始末じゃな」

高杉の言葉が聞こえると、桂と陸奥は小さな声でブツブツと呟いた。

高杉は、俯いている銀時に近づく。そして、ポンっと頭を撫でた。

「まぁ、それでも悲しいってんなら俺がずっとそばにいてやらァ」

銀時は、その言葉にピクッと反応をする。
高杉は、ニヤリと笑った。

(クククッ決まった!!流石は俺だァ。銀もしん兄大好きって抱きついてくるんじゃねぇ?)

高杉は、デレデレとだらしなく顔を緩ませた。
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