銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる。
朝日が万事屋の窓から差し込み銀時は眩しそうに眉間にシワを寄せる。

「銀時、朝ご飯出来たぜよ」

陸奥が襖を引いて銀時の寝ている寝室に入ってきた。
銀時は微かに身じろぐ。

「ん……」

ごそごそと布団に潜ろうとする銀時の隣にしゃがみこみ銀時の顔を覗き込む。

「全く、銀時はお寝坊さんじゃのォ」

陸奥はそんな所も可愛らしいと言った感じにクスッと笑い銀時を起こそうと身体を揺さぶろうとした。
しかし、ふとあることに気付く。

先ほどまで銀時にしか視線がいかなかったから気付かなかったが、銀時の入ってる布団の中に銀時とは別のもう一つこんもりとした膨らみがあるのだ。

(はて?これは何じゃ?)

陸奥は首を傾げて銀時を起こさないようにゆっくりと布団をめくった。

「ッ!?」

陸奥は驚き目を見開いた。そこにいたのはむー、むーっと寝息をたて、何故か目を開けたまま寝ている桂だった。目を開けたまま寝ているので瞳がカサカサと渇き、充血していてめちゃくちゃ怖い。
陸奥は落ち着くようにスゥーハァーっと深く深呼吸をした。そして音を立てないように素早く寝ている桂を銀時の布団から出すと居間に戻り、高杉を縛り付けている柱へと連れて行き、同じようにキツく縄で縛り付けた。

「起きぬか!!この馬鹿もんがッ!!」

縛り付けられても寝たままの桂に向かってコップ一杯の水をぶっかけた。

「冷てェ」

隣に縛られている高杉にも当たったのだろう、小さくボソッと呟く声が聞こえる。

水を掛けられたのに桂はまだむーむーっと寝息を立てている。
陸奥の額に青筋が浮かんだ。

「起きろと言っとるじゃろ」

淡々としたしゃべり口調で陸奥は寝ている桂の頭を鷲掴みした。辺りにメキメキと嫌な音が響く。

「いだっ、いだだッ!!」

痛みで起きた桂の悲痛の声が聞こえる。

陸奥が怖くて我関せずとソファーに座っていた万斉と坂本が顔を青ざめた。




桂が起きると、陸奥は桂の頭から手を退け眉を寄せて少しイラついた感じで聞いた。

「して、ヅラ。おんしなんで銀時の布団の中におったがか?」

「ヅラじゃない!!桂だ!!」

陸奥の言葉に桂はいつものお約束言葉で返す。陸奥の額にまたひとつ青筋が浮かぶ。

「あ?」

「いえ、ヅラでいいです」

陸奥にギロッと睨まれ哀れ桂は大人しくなった。陸奥はそのまま桂の言葉を待つ。

「う、うむ。銀時があまりにも気持ち良さそうにしていたからつい……添い寝を」

「テメェ、ヅラ!!銀と添い寝だなんてなんて羨ましいことしてやがる!!」
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