銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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さて、銀時がヅラ子を撲殺しているころ……
沖田は真選組屯所へと帰っていた。

沖田は屯所に着くと土方の部屋へと向かった。土方は気にくわない奴だが、情報には敏感だ。
土方の傍には山崎ことジミーがいるし、銀時が今どういう状況なのか調べるのには最適なのである。

(それにしても気に入らねぇでさァ。旦那を監視してどうする気だ?あのエリート集団共は)

沖田は本当にイライラしているのだろう。その証拠に沖田とすれ違う隊士たちは恐怖で固まっている。

沖田は土方の部屋の前に着くと立ち止まった。
中から山崎の声が聞こえてきたからだ。沖田は耳をすませて聞き耳をたてた。




「――――以上が、調べたことです」

山崎の言葉に土方は微かに眉を寄せた。そして、吸っていたタバコを灰皿へと乱暴に押し付ける。

「そうか」

土方は山崎の報告に一言だけ返した。山崎はチラチラっと土方を見ると、勇気を振り絞って聞いた。

「副長は、どうする気なんですか?」

「決まってんだろ。奴が白夜叉とバレしだい……斬る」

バターンッ!!
土方が言った瞬間部屋の襖がけたたましく開いた。
「土方ァ、テメェ今なんつったッ!!」

襖を開けたのはもちろん沖田だ。沖田はキッと土方を睨みつけるとドスドスと部屋に入ってくる。山崎はそんな沖田にブルッと震える。
土方は心の中で舌打ちをした。

いくら銀時のことを考えていたとしても、まさか沖田の気配に気付かないとは……
土方は眉を寄せると言った。

「総悟、テメェ盗み聞きとは良い度胸じゃねぇかッ!!」

「うるせェ、そんなことよりさっきのことはどういう意味でィ!!」

沖田はやはり土方を睨みつけたまま言う。土方はため息をつきたかった、沖田はとても万事屋に懐いているのだ。出来ればギリギリまで知らせずに事を運びたかったのだが……

「白夜叉を斬るっつったんだよ!!」

土方がもう一度言うと沖田は目を見開き勢いよく土方の胸倉を掴んだ。そして思い切り睨み付けると言った。
「テメェ、土方!!ふざけんじゃねぇぞッ!!白夜叉を斬るってことがどういう意味か分かってんのか!!あの人を……今まで色んな事件で真選組を、俺たちの大切なもんを守ってきてくれたあの人を斬るって言いやがんのか!!」

沖田は土方に向かって罵倒を続ける。山崎は部屋の隅でどうしようどうしようとアワアワと慌てている。

「そんなの恩を仇で返すのと同じことじゃねぇか!!他の隊士だって絶対に納得なんざしねぇ!!それなのに、それなのに旦那を斬るって本気で言ってんのかッ!!答えろ土方!!」

沖田はよりググッと土方の胸倉を掴む手に力を込めた。

「ああ、そうだ」

土方の肯定の言葉に沖田はカッと頭に血が上る。
拳をギュッと握りしめ土方の顔へと思い切り放った。
ガツッと鈍い音が部屋へと響く。
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