月の守護者

□結婚のためなら手段は選ばない
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ツナの取り出した書類を見ると銀時は少し眉を寄せた。
書類には枠がいくつかあり、何故か自分の名前、生年月日、住所などを書く欄がある。

(名前はサインってことで分かるけど、何故生年月日や住所?)

「あっ、この書類一枚目に書けばあとの二枚にうつるようになってるんで、最初の一枚だけに書いてね」

ツナはとても嬉しそうに書類について説明すると銀時に書類を手渡した。銀時は書類を手渡されると一枚目をマジマジと見つめる。
個人情報を記載するとこ以外至って普通の書類である。
銀時は書く前に確かめるため一枚目をめくり二枚目を開いた。
普通の書類だ。

「あー、サインだけじゃねぇからなんか特別なこと書かれてんのかと思ったけど普通だな」

銀時はそう言いながら二枚目をめくろうとした、そのときである。

「ああぁー!!」

ツナが突然大声を上げた。銀時はびくっとし二枚目をめくろうとしていた手が止まる。そして、手元の書類から目を離しツナを見つめた。

「な、何?突然」

「いや、あの部下に頼んでケーキ買って来てもらってたの思いだしちゃって。もう結構時間たってるしその書類書き終わったらお茶にしない?」

「マ、マジでかァァア!!よっしゃ!!じゃあ、すぐ終わらせるわ」

ツナの言葉に銀時は瞳をランランと輝かせ書類へとペンを滑らせた。そんな銀時を見てお茶の準備をしながらツナはニヤリと口端を上げた。






お茶が終わるとあれだけあった書類は何故かなくなっており、銀時は首を傾げながらとりあえず自室へと戻っていった。
ツナはにっこり微笑み可愛らしい満面の笑みを浮かべて銀時を見送る。
そして、銀時が居なくなったことを確認するといそいそとお茶の前に書かせた三枚綴りの書類を取り出した。
ツナは三枚の書類の三枚目を慎重に取るとじっと見つめプルプルと震えだした。
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