黒き
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ツナたちが並盛から居なくなって半年が経過した。
並盛中では、あの雲雀が並盛中を卒業すると言う話題でいっぱいだった。
「テメェ、これは一体どういうことだッ!!」
並盛中の応接室で駄犬が叫び声を上げた。それに対峙する雲雀は眉を寄せる。
「うるさい、咬み殺すよ」
雲雀はトンファーを出し不機嫌そうに呟く。
不穏な空気を醸し出す獄寺と雲雀。そんな二人の間に山本が入った。
「まぁまぁ、二人とも落ち着くのな」
「しかし、山本。俺も極限に叫びたいぞ!!雲雀、なぜカリーナの守護者を降りる!!」
山本の言葉を続けるかのごとく、了平が大声で尋ねる。
そんな、了平を見てより雲雀は不機嫌そうにした。
「なぜ?愚問だよ。赤ん坊も居ない僕を時々ワクワクさせてくれていた小動物も居ない。君たちから一つも魅力を感じないのになんで群れなきゃならないわけ?」
雲雀はきっぱりと言う。元来雲雀は群れるのを嫌うタイプだ。
ボンゴレに居たのだってリボーンとツナが居たからである。
すでに、雲雀の中ではボンゴレはゴミ箱の中のゴミ以下になっているのだろう。
「ひ、雲雀さん」
カリーナは雲雀の名前を呼んだ。手のひらには返されたボンゴレの雲のリングが乗っている。
「雲雀さんは綱吉さんのこと」
カリーナは咬み殺されるかもしれない恐怖と期待に満ちた瞳で雲雀を見つめた。見つけたかもしれないのだ。ツナを助けてくれる人物を……。
しかし、カリーナの言葉は途中で遮られた。
「雲雀テメェ、リボーンさんはともかく10代目の前であの屑のことだしてんじゃねぇよ!!」
「そうなのな。カリーナが怯えてるのな」
「カリーナは極限に俺が守るぞぉぉおッ!!」
守護者たちに邪魔された。カリーナは不服そうに眉を寄せる。
そんな守護者たちを見て雲雀はため息をついた。
「ねぇ、君たち噂ごときでよく小動物をそんなに悪者扱いできるね」
雲雀は呆れたように呟いた。
すると、守護者たちは口々に言う。
「噂じゃねぇ!!真実だ」
「ほんと、なんであんな奴を親友なんて思ってたのか……昔の俺を殴りにいきたいのな」
「極限にプンスカだぞ!!」
雲雀はギュッとトンファーを持つ手に力を込めた。
誰だって自分が唯一大空と認めた者を悪く言われるのはムカつくだろう。
「……咬み殺す」
雲雀は殺気を放つとカリーナ以外を咬み殺した。
そして、ゴミを片付けるかのごとく風紀委員に守護者を片付けさせた。
後に残ったのはカリーナと雲雀のみ。
雲雀はトンファーをカリーナに向けた。
「座りなよ。聞きたいことがある」
トンファーを納めると雲雀はツナに頼まれてたあることを聞くためカリーナをソファーに座らせた。