黒き

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ツナたち一行はプライベートジェット機に乗ると、ある人物が出迎えてくれた。
アリアの娘、ユニだ。側にはγが立っている。

「お待ちしておりました。皆さん、お母様準備は出来ております」

ユニは頭を下げると用意した紅茶セットに目線を向けた。アリアはそんなユニににっこりと微笑む。

「ありがとう、ユニ」

アリアは、ユニに礼を言うとツナたちに椅子に座るよう欲する。
ツナたちが座るとγが紅茶を配った。

「まぁ、この紅茶美味しいわ」

奈々は紅茶を飲むと感心したように小さく呟く。
奈々を見てツナも紅茶を口にする。

ちなみに、リボーンはエスプレッソだ。

ツナたちが飲み物を口にすると、アリアは口を開いた。

「さて、本部に着くまでまだ時間があるわ。何故保護を求めたのか聞いてもいいかしら」

アリアの言葉にリボーンは心配そうにツナを見た。
仲間や父親に裏切られたことを話すのは流石に辛いのではないかと心配したのだ。

しかし、ツナはにっこりと微笑んだ。

「ええ、いいですよ」

そして、一旦目を閉じると決心したように口を開いた。


「あれは……ちょうど3ヶ月前の出来事でした……






「ダメツナ、起きろ!!」

「ふげっ!?」

ツナは熟睡していた所を何時ものようにリボーンに蹴られて起きた。
この頃は、ツナは黒い本性を出してなかったのだ。

「リ、リボーン!!毎日、毎日、もっと優しく起こしてよ!!」

「寝坊するのが、悪いんだぞ。それよりもそんなこと言ってる時間があると思ってるのか?」

リボーンは悪そびれもなく、目覚まし時計を指差した。目覚まし時計を見るとツナは青ざめる。

「うわぁっ!!遅刻だッ!!もっと早く起こせよな」

ツナはリボーンに文句言いながら慌ててパジャマを脱ぎ制服を着始める。
リボーンはそんなツナを見るとため息をついた。
ツナは着替え終わると急いで一階へと向かうため、階段に向かう。

「うわぁっ!!」

ズルッ、ゴロゴロドコッ

ツナがダメツナ演技で階段から滑り落ちたのだろう。階段からけたたましい音がした。
「ツッ君?大丈夫?」

奈々の心配した声が聞こえ、リボーンは一階に降りた。

一階に降りると案の定ツナは打ったであろう尻を押さえていた。

「ツナ、遅刻するぞ」

リボーンが言うとツナは慌てて食パンだけを口に挟み、玄関の扉を開けた。

「10代目!!おはようございます!!」

「よっ、ツナ」

玄関を開けた先に居たのは、ツナの忠犬こと獄寺、そしてツナの親友の山本だ。

「ごめん、二人とも」

ツナは口に挟んだ食パンを手に持つと二人に向かって頭を下げた。

「そんな、気にしないでくだ」

「気にしなくていいのな」

「テメェが言うんじゃねぇ!!野球馬鹿ッ!!」

朝からセリフを取られた獄寺は山本に突っかかる。
そんな獄寺をツナは慌てて宥めた。

そんな三人にリボーンは顔を出すと眉を寄せた。

「お前ら、本当に遅刻するぞ!!」

リボーンの言葉に三人はハッとすると学校へと急いだ。

「三人とも、昼休みに話があるから屋上に来るんだぞ」

走っていく三人の後ろを見ながらリボーンは声をあげた。

「リボーンさん、何の用でしょう?」

「うーん?分かんない(嫌な予感するなぁ)」

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