黒き
□4
1ページ/1ページ
チャオッス。リボーンだぞ。
前回は色々あって俺様としたことが取り乱しちまった。
今回からはママンやツナの行動に取り乱さないように気をつけ……
「ツナ、さっきから何やってんだ?」
リボーンは、携帯でカタカタと何かを打ち込んでるツナを見て首を傾げた。
「ん?リボーンの反省文書いてるけど?」
「反省文って……いや、いい」
ツナの言葉にリボーンはため息をつき、諦めた。
今、沢田家ではいつでも家を出れるように荷造りをしている。
リボーンに初代が何故居るのかを説明した後、ツナたちは大空のアルコバレーノ……アリアの所で世話になることが決まったのだ。
「ツッ君、移動しやすいように本当に必要なものだけ持っていくのよ」
「はーい」
鼻歌混じりで荷物をまとめる奈々に言われツナは元気よく返事をした。
リボーンは、自分の荷物をある程度まとめると奈々の様子を見に行く。
「うーん?困ったわねぇ」
奈々は頬に手を当て困ったように呟いた。奈々の様子を見にきたリボーンにも聞こえたのだろう。
リボーンは顔を出すと奈々に話しかけ固まった。
「ママン、何を困ッ!!?」
「あら、リボーンちゃん」
リボーンに気付いた奈々はにっこりと優しい笑顔を浮かべる。
片手には、スタンガンを持っている。
リボーンは固まるも、すぐに思い直した。
(大丈夫だぞ。スタンガンくらい護身用で誰だって持ってる)
そう思いリボーンは意を決して奈々に話しかけた。
女性を大切にする。それがリボーンのポリシーなのだ。
「ママン、一体何に困ってるんだ?」
「それがね、荷物が入らないのよ。困ったわ」
奈々の言葉にリボーンは近寄り、鞄の中をのぞき込んだ。中にはギッシリと色々な荷物が詰まっている。
どれも沢田家でよく見ていた物だ。
「ん?ママン、この箱は?」
リボーンは、ふと初めてみる箱を見つめた。
「あっ、これはね」
「マ、ママンンン!!説明はいい!!いいから!!」
奈々は、リボーンが気になった箱を取り出して開け始める。
リボーンは空いた隙間から何かが見えてしまったのか顔を真っ青にして見るのを拒絶した。
「……荷物入らないなら俺のと一緒に入れてやるぞ」
リボーンは疲れた口調で言う。出来れば早く奈々の悩みを解決し、ひとまず奈々から離れたい。
「本当に?リボーンちゃんありがとう」
奈々は嬉しそうに笑顔を浮かべた。そして、どこに置いていたのか赤い何かがついた釘バットを取り出す。
そして、口端をひきつらせているリボーンに渡した。
「じゃあ、リボーンちゃんお願いね」
「わ、分かったぞ」
リボーンはそれだけを言うと釘バットを持ったままゆっくりと奈々から離れた。