月の守護者
□第5訓
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時間は意外と早く進むもの。
ツナは自分の部屋のベッドに座り込みしみじみと思った。
あれから簡単な説明を聞きおわり、夕食の時間になると夜ご飯を食べた。
ちなみに、銀時の歓迎会も補ってるのか夜ご飯のおかずはとても豪華だった。
夜ご飯のおかずの一つである唐揚げをランボと取り合いしていた銀時を思い出しツナはクスッと笑う。
「ん……何笑ってんだ?」
ツナが笑った時、ちょうどお風呂に入っていた銀時が戻ってきた。
お風呂上がりのせいかほんのり赤くなった頬、濡れてストレート気味になった銀髪の髪が目に眩しい。
「あっ、銀時さん!!なんうぇぇえ!?」
ツナはドアの方へと視線を向け、銀時を見ると顔を真っ赤に染め叫び声を上げた。
銀時はそんなツナを見ると目をぱちくりし首を傾げる。
「え?な、何?どうかした?」
「ど、ど、どうかしたじゃないですよ!!なん、なんで上着てないんですかぁぁあ!!」
ツナが叫ぶように銀時に言った。
ちなみに今の銀時の格好は首元に湿ったタオルをかけ、下におろしたてのパジャマ、そして上は何故か何も着ていない。
綺麗に割れた腹筋。あんなに甘い物を食すくせに余分な脂肪のないがっしりとした健康的な身体。
そして、髪から流れる雫がより銀時の身体を艶やかに見せている。
そんな姿の銀時は、お子様のツナには刺激が強すぎのようだ。
「あー、なんでって暑いから?」
ツナの言葉に銀時はポリポリと頬を掻きながらきっぱりと言った。
そして、少し考えると言葉を続ける。
「別に奈々さんには見られてねぇから大丈夫だぞ」
どうやら銀時はツナが母親の奈々の心配をしてると思ったようだ。
すると、ツナは銀時を見ないように視線をそらすときっぱり言った。
「あ、当たり前です!!もう、早く上着て下さい!!」
頬をそめたまま言うツナに銀時は首を傾げながらもとりあえず上を着込んだ。
銀時が上のパジャマを着るとツナは自分の着替えを持ち、お風呂場へと向かった。
ちなみに、銀時があまりにもパジャマの前ボタンを開けているのでツナの視線は左右にいったりきたりだ。
「……さて、それにしてもこれからどうするか。とりあえず寝床は確保出来たけどよォ」
銀時はツナを見送ると考え込む。
そして、今日あった不思議な出来事を頭に思い浮かべた。