銀色
□第12訓 子供はすぐ大きくなります
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確かに、この小説の作者ならシンパチを洗脳するのは簡単に出来る。しかし、しかしだ。作者を始末するということは物語の終了に等しい。そこをお二方は分かっていらっしゃるのでしょうか?
「あら、大丈夫よ。4分の3しか殺さないから」
「流石母上!!優しいな」
ジュリアの言葉にギントキが賛同した。
はっきり言って4分の3殺しとかまだ半殺しのほうが優しいだろう。
ナレーションがそう思っているとジュリアは小説の枠へと手をかけひょいっと乗り越えた。
どうやらほんと殺りに来たようだ。ジュリアが自分愛用の武器を作者に振り下ろすのが見えた。
辺りに小汚い断末魔が響き渡る。
作者の断末魔が聞こえてしばらくするとシンパチが、ハッとしたようにピクッと反応した。
「あ、あれ?僕はいったい」
どうやら無事洗脳が解けたようだ。
シンパチが正気に戻るとジュリアはホッとしたように戻ってくる。
「シンパチ!!良かった。正気に戻ったのね」
ジュリアは不思議そうに首を傾げているシンパチの頭を嬉しそうに撫でた。