銀色

□第6訓 まさかまさかの婚約発表?
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「うぇりんぐ?」

ルイズは母親、カリーヌの言葉に首を傾げた。
何故か部屋のすみでヴァリエール公爵が泣いている。

カリーヌはルイズに軽く化粧を施すと泣いている公爵をチラッと見て淡々と言った。

「あなた、頼んだ通り招待客にパーティーの趣旨が変わったこと伝えましたよね?」

「も、も、もちろん。今日は三女ルイズの婚約発表だと伝えましたッ!!」

カリーヌの言葉に公爵はビシッと敬礼をした。





パーティーが始まると何故かルイズとギントキは二人して、パーティーの真ん中に案内された。

ちなみに、ルイズとギントキがパーティー会場の前で再会したとき、カリーヌの入り知恵だろうか。
ルイズは首を傾げてギントキの顔を覗き込み。

「ルイズ、かわいい?」

と聞いてきてギントキの頬を微妙に染めさせてしまったことを述べておこう。



ギントキとルイズはとりあえず用意された椅子に座った。すると、魔法の光が二人を照らす。

「皆様、今日はヴァリエール家三女、ルイズの婚約発表にようこそおいで下さいました。ヴァリエール公爵に変わってお礼を申し上げますわ」

マイクのように声がよく通る魔法をかけるとカリーヌは挨拶をした。
ギントキはカリーヌの言葉に聞いてないとばかりに驚きの表情を浮かべる。

ルイズは意味が分からなくキョトンとしている。

しかし、そんな二人には気にも止めずにカリーヌの挨拶は進んでいく。

「では、偉大なる始祖ブリミルに誓ってこの二人の婚約の儀を……」

カリーヌが淡々と言葉を進め、長い婚約発表の挨拶を終えようとした時事件が起こった。

「ジュリア!?どうしたんです!!ジュリアッ!!」

ショウヨーの隣にいたジュリアが突然倒れたのだ。
ショウヨーは慌てたようにジュリアを抱き起こし声をかける。

「母上?……母上ッ!!」

ギントキは慌てて椅子から立ち上がりジュリアに駆け寄った。
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