銀魂倒幕編’(幕府VS天人)
□きっかけはいたって単純
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桂は銀時に話し掛け、陸奥は少し怖いことを言いながら銀時を立ち上がらせた。
銀時はそんな四人を見て困惑した。
(んで?なんで?……俺は、……)
銀時が困惑している間にガキ大将たちへの制裁が始まった。
「ッ!!くそ、覚えてろよ!!」
ガキ大将たちは、お決まりの捨て台詞をはくとボロボロになった身体を引きずり逃げていった。
「ハッ、相変わらず口ほどにもねぇな」
高杉は鼻で笑いガキ大将たちを馬鹿にするよう見送る。
「銀時!!本当に大丈夫か?」
「怪我したがか?」
「とりあえず、怪我は擦り傷だけみたいじゃ」
桂、辰馬、陸奥が銀時に群がる。高杉も溜め息をつくとその群がりに加わった。
「……で?……なんで助ける?なんで!!なんで!!」
銀時はそんな四人に困惑したまま叫んだ。四人の行動がまったく理解出来ないのだ。四人は銀時の様子に首を傾げる。そして何を思ったか、ずいっと桂が前に出た。
「助けるのは当たり前だ!!俺は、俺たちは銀時が好きだからな!!」
「好き?」
銀時は、キョトンとしたまま首を傾げる。そして、松陽に何故自分を拾ったのかと聞いた時に返ってきた言葉を思い出す。
あの時も同じように好きだからっと返ってきた。
「う、嘘だッ!!だ、だって、お前らあの時、俺見て驚いてた!!俺の髪と目見て、気持ち悪いと思ったんだろ?怖いと思ったんだろ?」
銀時の言葉に四人は顔を見合わせた。銀時を見て驚いた……確かにあまりにも可愛くて驚いてしまったのだが……どうやら勘違いさせてしまっていたようだ。
「あっははは、そいつは違うぜよ。ワシらはあまりにも可愛かったんで驚いたんじゃ。のお、高杉」
高杉は一瞬何故俺にふるんだ。この馬鹿がッ!!と思ったが銀時が見ているのでニヤリと笑った。
「ハッ、テメェのようなガキが怖いわけねぇだろ。バカ言ってんじゃねぇよ」
高杉の言葉に銀時は目を真ん丸くした。そして、チラチラと四人を見つめる。
「まぁ、とりあえず今日はもう遅いし帰るぜよ」
陸奥の言葉にとりあえず塾に銀時を送って帰ることにした。その道すがら、銀時はやっぱりと言うかずっと黙っていた。
塾の門が見えると松陽が外へと出ていた。そして五人の中に銀時を見つけると心底ホッとしたような表情をして駆け寄る。
「銀時ッ!!どこ行ってたんですか?もう心配しましたよ」
松陽は会いたかったとばかりに銀時を抱きしめた。そんな親バカに少し呆れながら桂は説明をした。
「そうですか……子供とはいえ、お仕置きが必要ですね」