銀魂倒幕編’(幕府VS天人)
□きっかけはいたって単純
3ページ/5ページ
田中が言うと、四人は走って向かった。
少し時はさかのぼって、銀時はキョロキョロと塾の門から人が居ないかどうか見渡した。
話しかけてくる二人の男の子から逃げるためだ。
別に話しかけられるのはそんなに嫌ではない。しかし、銀時には何故自分なんかに話し掛けてくるのか理解が出来ないのだ。
(誰も……いない)
銀時は心の中で呟くと隠れるように外へと飛び出した。
ちなみに、何故外に出るかというと以前屋敷内で隠れた時見つかってしまったからだ。
銀時は人の居ない方居ない方へと歩いていく。
その道すがら、ふいに子供の声がした。
「おい、お前」
銀時はピクッと身体を反応させ振り向いた。居たのは可愛くないガキ大将とその取り巻きたちだった。
「お前、見ねぇ顔だな。どこのどいつだ」
「…………」
太郎丸は偉そうに銀時に尋ねた。銀時は無言で返した。すると取り巻きの一人が銀時を指差した。
「俺、知ってる。こいつ化け物、鬼子だ!!」
「――ッ」
取り巻きの言葉に銀時はギュッと刀を握った。
太郎丸は取り巻きの言葉を聞き、ニタリと笑った。
「化け物、鬼子。確かに気持ち悪い髪色に目の色だな。じゃあ、俺たちで化け物退治してやろうぜ」
(化け物……やっぱ俺、鬼の子なのか)
銀時は悲しく眉を下げると、小さく心の中で呟いた。
ガキ大将たちは言葉を続ける。
「気色わりぃ、化け物」
「なんでこの村にいるんだよ、出てけよ」
「おい、何とか言ったらどうだ!!化け物ッ!!」
太郎丸が黙ったままの銀時の胸を力強く押した。銀時は考えことをしていたせいかよけられず、小さな身体が地面へと倒れた。
(ッ……ダ、ダメッ!!)
銀時はとっさに松陽から貰った刀を抜きそうになり慌てて胸元でギュッと抱きしめた。
(殺ったらダメ……あの人悲しむ。……それに――――)
銀時は初めて自分を人間として見てくれた松陽を悲しませたくないと刀を抜かないよう、これから殴られるであろう痛みに耐えれるよう刀を抱き締めたまま丸まった。
そして、ギュッと目を閉じて時期に来るであろう痛みを待った。しかし、何時までたっても何もこない。
銀時は、恐る恐る目の開けて驚いた。まるで自分を守るように四人の人物が立っていたからだ。
「おい、テメェ等何やってんだ?ああ゛?」
少し声にドスを利かせて銀時の前に立った高杉が太郎丸を睨みつけた。
「た、高杉……」
太郎丸はビクッと身体を震わし後ずさった。以前ボコられた記憶を思い出したのだろう。
「本当じゃ、返答次第じゃただじゃすまんきに」
「いででっ」
辰馬が取り巻きの一人を捕まえている。
「銀時、大丈夫か?」
「あいつらはワシらが仕留めるから安心するんじゃ」