銀魂倒幕編’(幕府VS天人)
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「ったく、誤解は解けたか?」
ピンクではなく赤くなったノートを手に持ち銀時はヅラ子を見据えて言った。
ヅラ子は銀時を見てコクンと頷いた。
「それは分かった。しかしだ、銀時。これはやり過ぎではないだろうか」
ヅラ子は自分の顔を指差して言う。ヅラ子の顔は何十回殴られたのだろうか……ボコボコに腫れ上がっていた。
銀時はそんなヅラ子を見ると少し目を細めた。
「あ?大丈夫だろ。そんなのは次のシーンにいけばなおってるもんだ」
銀時は桂に話した。この青ヒゲ店にやってきた理由、そしてこれからの予定を……
ちなみに、桂の顔は銀時の言った通りに綺麗になおっている。
「銀時!!それは本気かッ!!」
銀時の言った言葉に桂は目を見開いた。確かに桂は銀時が今どんな状況なのか分かっていた。
そう、銀時ならさっき言ったような行動を取ることも……
だが、分かっていたとしても嫌なのだ。ようやく銀時が幸せを掴んだのだ。
その幸せを簡単に壊されたくないのだ。
まぁ、銀時を攘夷志士にしようとして一旦幸せを壊すところだった、桂が言うことではないが……
「あぁ、あいつらには迷惑かけたくねぇしよォ。バレる前に俺は、あいつらと別れる。そのために協力してくれねぇか」
銀時は一瞬寂しそうに笑うと桂を見据えた。
桂も寂しそうに、悲しそうに笑みを浮かべて頷いた。
「あぁ、もちろんだ。俺の可愛い末弟の頼みだからな」
桂が言うと銀時は眉を寄せる。どうやら末弟という言葉が気にいらなかったようだ。
「誰が末弟だよ」
「ん?何を言うか、小さい頃はよくこた兄、こた兄と慕ってきたではないか。今だってそう呼んでもいいんだぞ」
「誰が呼ぶかァァァア!!」
桂の言葉に銀時は眉間に皺を作る。そして心底思った。
(何とかしてヅラの脳内から俺の黒歴史を忘れさせてぇ)