銀色
□第7訓 衝撃の事実
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ジュリアがパーティー会場で倒れた後、すぐにヴァリエール家のお抱え医者を呼び個室へとこもった。
ちなみに、パーティーはヴァリエール公爵がカリーヌに言われて泣きそうになるのを耐えて、なんとか終わらせた。威厳のある態度で臨んだため、パーティーの客たちは流石ヴァリエール公爵といった感じに羨望を抱いて帰って行った。
さて、ジュリアの診察をするために部屋の外で待つギントキはオロオロと落ち着きがなかった。
(母上、母上大丈夫なのか?)
心配で今にも泣きそうなくらい顔を歪め俯いている。
前世の記憶もあり、人の死というものを何度も何度も見てきたギントキ。
何度も何度も悲しい、空しい想いをした。
今世でも、しなければいけないのか。
ギントキは、ジュリアが……母上が自分の前から居なくなる。そんな想像をするだけで、自分の足元が崩れていく気がする。
ギントキの思考はゆっくり恐怖に覆い包まれていく。
突然ギントキの頭がよしよしと撫でられた。
ギントキは、ハッとして俯いた顔をあげる。
ギントキの頭を撫でたのは、小さなルイズだった。ルイズはまだ小さいので状況はよく分かってない。
しかし、子供なりにギントキの様子を見て心配になったのだろう。
「ギントキ、だいじょうぶ?」
「……ルイズ」
ルイズは、名前を呼ばれるとにっこりと微笑みギントキの頭をよしよしと撫で続ける。
そんなルイズの様子になんだかギントキは恥ずかしくなった。
(俺、何やってんだ。4歳児に慰められるって…………けど)
ギントキは少し頬を赤らめた。
先ほどとは違い、顔には恐怖の色が見えない。
「大丈夫だ。あ、ありがとうな」
ギントキが礼を言うとルイズはにっこりと笑った。
その時である。
ジュリアの入った部屋から医者が出てきた。そして、その後からショウヨーが医者に礼を言うため出てきた。
医者を見送るとショウヨーは、ギントキに視線を移し口を開いた。
「ギントキ、大事な話があります。入りなさい」
ショウヨーの言葉にギントキはビクッと身体を震わした。
大事な話とはきっとジュリアのことだろう。
ギントキはまた怖くなった。そして、無意識にルイズの手を握る。
ショウヨーはそんなギントキの様子を見ておや?っと首を傾げるもすぐに微笑ましそうににっこりと微笑んだ。
「もちろん、ルイズちゃんも一緒に」
ルイズの手を握ったままギントキは部屋に入った、そしてベッドにいるジュリアを視線に入れる。
「あら、ギントキ。ラブラブね」
ジュリアは愛しい息子とその息子の伴侶となる可愛いルイズを見て楽しそうににんまりと笑った。
「ラブラブって!!……母上、起きて大丈夫なのかよォ」
「らぶらぶ?」