銀色

□第5訓 パーティーまで後少し
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婚約が成立した後、ギントキはルイズと一緒に部屋にいた。

ちなみに母親たちは、パーティーの前にルイズの父親、ヴァリエール公爵に挨拶をするため、公爵の部屋へと向かった。

ちなみになぜ、ギントキとルイズが置いて行かれたのかは、後々分かるので今は置いとくとしよう。




ルイズはカリーヌが居なくなるとギントキから距離を取った。どうやら、人見知りをしているようだ。
ギントキはそんなルイズを見てどうしようかと頭をかいた。

「なぁ、お前」

「お前じゃないわ。ルイズだもん」

ギントキが話しかけようとするとルイズは距離を取ったままきっぱりと言った。
人見知りの割りにはハキハキと喋っている。

もしかしたら、人見知りじゃなくギントキに警戒しているのかもしれない。

「あー、じゃあルイズ。なんでそんな警戒してるんだ?」

ギントキはじっとルイズを見つめて言う。そんなギントキにルイズは首を傾げた。

「けいか……い?」

(あり?まだ4歳児には難しかったか)

ギントキは、言葉の意味が分かってなさそうなルイズを見ると、心の中で呟く。

そして、出来るだけ分かりやすいように言葉を崩した。

「えっと……なんで離れてるんだ?」

ギントキの言葉に今度は分かったのだろう。ルイズは、まるで思い出すかのように途切れ途切れに言った。

「父しゃま、男……け、獣……って、近くはダメッって」

ルイズが言う言葉を聞き、ギントキは何が言いたいのか分かったのか少し眉を寄せた。

(なるほど、……その歳でそんなこと教えられてるったぁ……相当な過保護だな)

ギントキは、自分の両親のことは棚にあげてそう思っていた。
そして、どうしようかとポリポリと頬を掻く。

いつもなら、別に警戒とかされても気にはしないのだが、何故か気になってしまうのだ。

「あのよォ、別に俺は獣なんかじゃないぜ」

とりあえずギントキはルイズの誤解を解こうとした。
しかし、ルイズはブンブンと首を振る。

「父しゃまは嘘つかないもん」

どうやら、簡単には解けそうにないようだ。
言葉で説得は無理かとギントキは少し目を閉じた。
すると、今度はルイズから話しかけてきた。

「獣、こんやく、しゃなの?」

(獣……俺のことか)

ルイズの言葉にギントキはため息をついた。

「一応婚約者だけど、獣じゃねぇよ。ギントキだ、ギントキ」

ギントキはルイズに言い聞かせるように二回続けて名前を言った。すると、ルイズは考え込むように黙った。

(獣違う?けど、父しゃまが、でもギントキって……確か母しゃまも……)

「ギン、トキ?」

ルイズはしばらく考え込むと確認するかのようにギントキの名前を呼んだ。ギントキはルイズに呼ばれると頷く。
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