銀色
□第3訓 意外に凄いよ。デクトロンディ家!!
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ギントキ達家族がデクトロンディ家を出た頃。パーティーの準備をしているヴァリエール家ではこんな話をしていた。
カリーヌは、パーティーの準備を忙しそうに行う使用人たちを見ながら嬉しそうににっこりと微笑んでいた。
カリーヌはこのヴァリエール家の主、ラ・ヴァリエール公爵の妻である。
そんな妻の様子にヴァリエール公爵は首を傾げる。
「カリーヌ?そんなに嬉しそうでどうかしたのか?」
自分の妻カリーヌは、パーティーくらいではこうも嬉しそうな顔はしないはず。……いや、逆に言えばカリーヌはあまりパーティーが好きではないのだ。
だからこそヴァリエール公爵は、不思議そうに尋ねた。
「あら、あなた。そういえばあなたには言ってませんでしたわね」
ヴァリエール公爵に聞かれてカリーヌは、心底嬉しそうに綺麗に微笑んだ。
「このパーティーにジュリアを呼びましたのよ」
「ジュリア?ああ……あのベリオーズ家のお嬢さんか」
ヴァリエール公爵はカリーヌの言葉に呟いた。そして昔から、カリーヌのそばにいたピンク色の長髪の美少女を思い出す。
カリーヌもジュリアも綺麗なピンク色の髪なので、まるで仲の良い姉妹のようだと言われていたのだ。
それなら、カリーヌが機嫌良いのは理解できる。カリーヌはジュリアが大好きだったのだから……
ヴァリエール公爵がそう思っていると、カリーヌは今思い出したっと言った感じにきっぱり言った。
「あっ、そうだわ!!あなたが水面下で進めてらっしゃる。ルイズとあのワルドとかいう青年との婚約は白紙にしといて下さいね」
カリーヌの言葉にヴァリエール公爵は目を見開いた。
「カリーヌ、残念だが……それはワシもあっちの家も両家とも婚約を承諾した後だから流石に白紙には……」
「あら?あなた。まさか出来ないなんて戯れ言をほざく気かしら」
ヴァリエール公爵が言い辛そうに言うとカリーヌは立ち上がり、ヴァリエール公爵ににっこりと微笑んだ。
笑顔なのに何故か目が笑ってないカリーヌ。
ヴァリエール公爵はそんなカリーヌに冷や汗をダラダラと流した。
「だ、だが……カリーヌ。それではルイズの婚約者はどうする気なんだ?ルイズは貴族の娘だし、やはり婚約者は必要かと思います」
カリーヌの笑顔からだんだんと目をそらして言うヴァリエール公爵。最後が敬語になってるところを見ると、少し哀れである。
ヴァリエール公爵の言葉にカリーヌは、にっこりと微笑んだ。
「それは大丈夫よ。だってルイズの婚約者は…………」
さて、デクトロンディ一家を乗せた馬車はヴァリエール家に着いた。
ヴァリエール家はまるでお城のような建物だった。大きさはまぁ、かなり大きいのだが……実はデクトロンディ家もかなり大きいため驚くことはなかった。