銀色

□プロローグ
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辺りは薄暗く、あまり人気のない路地裏。
人気がないせいか、犯罪が多発に行われている。そう、今日もこの時間、路地裏では真っ赤な真っ赤な血が流れた。

「銀さんッ!!しっかりしてください」

「銀ちゃん!!」

路地裏の隅っこで涙声の子供の声が聞こえる。子供二人は、一人の男のそばで泣きじゃくっている。

そんな三人のすぐ側には武装したゴツい図体の天人がゴロゴロと転がっていた。

「はぁ、はぁ……――ッ」

男は、荒く息をはきながら真っ赤に染まった自分のわき腹を手で押さえた。

男の名前は、坂田銀時。このかぶき町で開いてる万事屋銀ちゃんという店の主である。

どうやら、万事屋としての依頼をこなしてる最中に鳴った、突然の発砲音から子供二人を庇って銀時は怪我をしたようだ。

怪我の具合は重傷らしく、ドクドクと銀時から血が抜けて路地裏の地面を真っ赤に染めている。

「銀さんッ!!待っていて下さい!!今すぐ、今すぐ救急車を呼んでくるんで」

新八は銀時に言うと救急車を呼ぼうと表通りに走って行こうとした。しかし、銀時は手を伸ばして新八を止める。

「銀さん?」

「いい。新八……ここに居ろ。自分の身体だ……もう駄目なのは分かる」

銀時は血の気の足りない青ざめた顔で言った。そんな銀時に新八はポロポロと涙を流す。

「銀ちゃん、駄目って何ヨ。私嫌アル」

神楽も銀時の隣に座り込み鼻水をすすりながら顔をぐしゃぐしゃに歪めた。
そんな二人を見ながら銀時は口を開く。

「俺は、小さい頃から戦場にいたからよォッ……死ぬ時は一人寂しく逝くと思ってたッハァ……」

「銀ちゃん!!」

「銀さん!!」

銀時の身体をビクッと痙攣する。二人は泣きながら銀時の名前を呼ぶ。

「泣くんじゃねぇ……俺は嬉しいんだぞ。お前ら家族に看取られ、て逝くことが、……なぁ、笑っ……てくれ、ねぇか?」

「「ッ!?」」

途切れ途切れに言葉を発する銀時。二人は銀時の言葉に目を見開いた、大切な銀時が死に逝くのに笑えるわけがない。しかし、最期になるであろう銀時の願い。

神楽と新八は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔でにっこり笑った。

銀時はかすれかけた視界に二人の笑顔を焼き付け、口端をあげた。

「ぐ、ら……し、……ぱち……あ、りがと」

途切れ途切れに二人に礼を言うと力尽きゆっくりとその人生に幕を下ろした。






銀時は真っ暗闇の中に佇んでいた。驚き言葉を発しようとするも何故か声が出ない。

「……ッ」

どれくらい時間がたっただろうか?
真っ暗闇の中に目映い光が現れた。その光は、ゆっくりと闇を照らし始める。そして……





「おぎゃあ、おぎゃあ」

銀時は目映い光の中から出た瞬間息をした。いや、息をするために何故か泣いていた。
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