銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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さて、時間がたち奇襲の日にちを聞いた2日後の真夜中、銀時と桂は、ガラーンと何も残ってない万事屋の中に居た。
どうやら、荷物を全て持って雲隠れをするようだ。

「銀時、本当にリーダー達のことはアレで良いのか?」

桂の言葉に銀時は眉を少し下げるも決意したように頷く。

「あぁ、俺は明日から天人大量殺害罪で攘夷志士として指名手配される。そんな野郎のことなんざ忘れた方があいつらのためだろ」

どうやら、銀時が荷物を全て持って行くのは新八や神楽のため。
まるで、万事屋なんて最初から存在しなかったよう。あの二人に未練を残さないよう全てを持っていくのだ。

いや、もしかしたら自分のためでもあるのかもしれない。もしも、銀時が指名手配されたことで大切な子供二人に拒絶されたら……

銀時はそう思うと、何一つ残ってない万事屋を見渡し、悲しそうに目を閉じた。
そして、まぶたの裏で万事屋での楽しかった思い出もかみしめると、玄関へと向かう。



玄関から外に出ると、坂本、陸奥、そして真夜中といえど指名手配のくせに堂々としている高杉が待ってくれていた。
後ろから桂が銀時の肩をポンと叩く。

「銀時、行くか」

銀時はそれに頷き万事屋の階段を降りる。しかし、そこで銀時は足を一旦止めた。

「金時?」

「「銀時?」」

「銀?」

四人はそんな銀時に首を傾げる。
銀時はチラッとスナックお登勢の看板を見ると四人を見据えた。

「わりぃけど、先行っててくれねぇか?」

銀時の言葉に四人はコクリと頷く。





銀時は、四人の後ろ姿が見えなくなると自分の目の前にある、スナックお登勢を見つめた。
そして、ドアに手をかけゆっくりと開ける。

「悪いけど、今日はもう店じまいだよ。……おや?あんたかい」

どうやら、キャサリンもタマも居ないらしく店にはお登勢しか居なかった。

「ババア、あのよォ」
銀時がドアの所で口を開くとお登勢はきっぱりと言った。

「ったく、まだ夜は冷えるんだから入るんなら早く入りな!!一杯ぐらいなら付き合ってやるから」

お登勢はそう言うとゴソゴソと戸棚からお酒とコップを取り出した。
銀時はカウンター席まで行くと、お登勢と向かい合うかのような位置に腰を下ろした。

お登勢は無言で銀時の前にお酒をコトンと置く。
そして、懐から煙草を取り出すと火を付けて吸い始める。

銀時はいつもの騒がしさはどうしたのかといった感じに、ちびり、ちびりと酒を飲んだ。

「それにしても、こうしてると懐かしいねぇ。まるで拾った頃のようだよ」

「は?」
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