銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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桂が坂本、いや陸奥に銀時のことを教えてから一週間たった。
この一週間の間銀時は別れをするかのように今まで依頼で出会った人たちを訪ね回っていた。

(さて、あらかた回り終えたな。じゃあ、今日は……お?)

銀時は今日はどこに行こうかな?っといった感じに町をブラブラ歩いた。
ふいに、前方から黒い制服を着た人物が向かってくるのに気付いた。
相手も気付いたらしく立ち止まりこっちを見ている。
いつもならその人物は銀時に気付いた瞬間嫌そうな顔をするのだが、今日はちがうようだ。

銀時は少し考えると手を上げてフレンドリーに話しかけた。

「よぉ、多串くん」

「誰が多串くんッ!?」




銀時は土方と一緒に吉原に来ていた。周りには女共がキャーキャー騒いでいる。
それを二人は無視してある店へと目指す。

「おい、万事屋」

「なんだ?」

土方の呼びかけに銀時は歩きながら答える。

「いきなりついて来いっつってどこに連れて行く気だ」

土方は少し眉間にシワを寄せると懐からタバコを取り出した。そして一本口にくわえるとライターで火を付ける。
(※歩きタバコはいけません。よい子は真似しないでね♪)


「あー、あっ、ここだ。ここ」

銀時は土方の問いに面倒そうにするも、目的の場所についたのだろう。店へと入っていった。
土方も眉を寄せてその店へと入る。
店の中はどうやら甘味処のようだった。
店に入ると店の女主だろうか、こっちに気付いた。

「おや、銀さんじゃないかい」

「よぉ、日輪」

銀時が手を上げると日輪はにっこり微笑み車椅子を動かしながら近付いてきた。

「久しぶりだね。最近音沙汰なかったからあの子寂しがってたよ、とそちらは?」

日輪は銀時の後ろにいる土方に気付き首を傾げた。
銀時もチラッと土方を見ると軽く言う。

「ん?こいつは俺の連れ。ちょっと、上貸してくれねぇか?あと、月詠呼んでほしいんだけどよォ」

銀時の言葉に日輪は少し首を傾げるもコクンッと頷いた。





銀時は階段を上がるとスタスタと歩き部屋の戸を開けて中に入った。
土方は少し眉を寄せて銀時の後をついて行った。

銀時は座布団の上にドスンと座るとチラッと土方を見る。
土方はその視線に促され自分も座布団の上に座った。

「おい、万事屋。お前なんでこんなところに連れてきた?」

「酒飲むためだけど」

「…………酒飲むだけならこんな遠くまで来なくてもいいだろうが」

銀時の言葉に別に俺らは一緒に酒を飲むほど親しくないだろっと思いながら土方はため息混じりに呟いた。

「じゃあ、女紹介してやろうと思ってな」

銀時はニヤリと口端を上げた。土方は少し驚いたように目を開かせると銀時をじっと見た。

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