銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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銀時を見送ると桂は懐から黒い携帯電話を出した。
そして、カチャカチャと弄り目的の人物の電話番号を出す。
電話をかける操作をすると桂は耳に携帯電話をあてた。

携帯電話から呼び出し音が鳴り響く。

プルルルル……プルルル……ピッ

『もしもし』

「坂本か、俺だ。俺」

『俺?陸奥ゥゥウ!!大変じゃ、あの有名な俺俺詐欺が掛かってきたぜよ!!』

携帯から坂本の叫ぶ声が聞こえる。

『「そうか……じゃあ、早く騙されて無一文になってしまえ」陸奥は極悪非道じゃ!!』

携帯電話から陸奥の冷たい声が聞こえる。後から叫ぶように坂本の悲痛な叫びが聞こえ、桂は眉を寄せた。

「俺俺詐欺じゃない!!桂だ!!」


『ん?なんじゃ、ヅラか?』

「ヅラじゃない!!桂だ!!」

坂本の言葉に桂はお約束の言葉を携帯に向かって何度も叫んだ。

『あっははは、どっちも一緒ぜよ。それで?何用じゃ』

「一緒じゃない!!――ふむ、実は今銀時が大変でな」

『金時?金時が大変とはどういッぐぎゃぁ!?』

「さ、坂本!!どうしたのだ?坂本!!」

桂は銀時の今の状況を喋ろうとするも携帯から突如聞こえた坂本の声に驚き何度も何度も名前を呼んだ。

しばらくして携帯から返答の声が聞こえてきた。

『すまない頭はちょっと忙しいようじゃ。それで?銀時がどうしたんじゃ?』

「おや?陸奥か、実は銀時が……」

桂は電話に出た陸奥に状況を細かく話した。
そして、話し終えると桂は陸奥の言葉を待つ。

『ほぉ、つまりワシの可愛い末弟に手を出した、と……幕府ぶっ潰すッ!!!!』

聞こえてきたのはゾッと背筋が凍るようなドスの利いた声だった。桂は携帯を持ったままブルッと震える。

『頭ァァア!!今すぐ地球に行く!!準備するぜよ!!「陸奥さん!!頭はまだ気絶してます!!」股関を蹴って起こ……ブッ』

ツーー、ツーー

携帯から陸奥の叫ぶ声が聞こえた。そして、快援隊の部下だろう声。その後になにやら不吉な単語が聞こえたような気がしたのだが、通話も切れたようだし桂は空耳だとおもうことにした。
っというか恐ろしくて考えたくないのだ。
桂は携帯を懐にしまいながら坂本の無事を祈り、店の中へと入って行った。






さて、桂が電話をする数分前である。
宇宙の真っ只中を大きな船が漂っていた。どうやら、坂本の船らしく快援隊のマークがついていた。

船の中では、人々が慌ただしく動いている。大量の注文を受けたのかダンボールを抱えた男たちがあっちに行ったり、こっちに行ったりとせかせかと動いていた。

「急げ!!明日には納品じゃぞ」

紙の束を持ち商品を確認しながら陸奥が声を上げた。快援隊のメンバーはそれに答えるように速く速くと動く。

時折、陸奥の指示が飛ぶ。船内はとても忙しそうだ。

そんな中、坂本は船の隅でしゃがみ込んでいた。
もちろん手にはポリ袋を持っている。
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