銀魂倒幕編’(幕府VS天人)
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ここはかまっ娘倶楽部の控え室。
ムサイおっさんどもが青ヒゲになり男狩りと言う名の航海に出る準備をする場所である。
そんなところに桂小太郎もといヅラ子は座っていた。
どうやら目の前にある鏡を真剣に見つめている。
もしかしたら、攘夷志士の会議について考えているのかもしれない。それかやはり銀時の周りを見て心配しているのか……とにかくいつもとは違い真剣である。
ヅラ子は鏡を見つめると真剣な表情のまま少し眉を寄せて呟いた。
「ムム、今日は化粧のノリが悪いな。昨日遅くまでエリザベスと宇野をしていたからだろうか」
…………すいません。私ことナレーションが深読みしたようです。どうやらヅラは今日もヅラのようだった。
「ヅラじゃない!!ヅラ子だ!!」
ヅラ子はキッと立ち上がり叫んだ。
しかし当然のごとくそこには誰もいない。
【ヅラ子さん、どうしたんですか?】
突然控え室から聞こえた声にエリザベスは驚いた感じでやってきた。まぁ、エリザベスはあの顔なので本当に驚いてるのか分かりづらいが……
そんなエリザベスにヅラ子はもう一度座るとコホンと咳払いをした。
「いや、なんでもない」
【そうですか】
【っとヅラ子さん、五番テーブルに指名が入ってます】
「そうか、分かった」
エリザベスは2つのプラカードを上げて言った。
ヅラ子はエリザベスのプラカードを見ると立ち上がり五番テーブルへと向かった。
銀時は五番テーブルに案内されるとヅラ子を待った。
どうやら、見廻組の監視はこの店に入ってこないようだ。いや、入る度胸がないのだろう。
そのため鬱陶しい視線から解放された銀時は少し機嫌が良さげだった。
「ご指名ありがとうございます。ヅラ子でございまッ!?」
銀時は頼んだ酒を飲んでいるとヅラ子がやってきた。ヅラ子は、こちらも見ずにお辞儀をし、いつもの接客用語の途中で顔を上げた。
そして銀時を見ると目を見開き驚いている。そして、少し悲しそうな表情を浮かべた。
銀時はヅラ子の表情を見ると少し眉を寄せる。やはりヅラ子には自分が今どんな状態かバレているのだろう……思った以上に心配させていたのかもしれない。
銀時はヅラ子を見ると口を開こうとした。しかし、それはヅラ子が喋り出したことにより出来なかった。
「……知らなかった。まさか、まさか銀時にこのような趣味があったとは」
「は?」
何やら聞き捨てならない言葉が聞こえた。空耳または、気のせいだろうか?しかし、銀時の間の抜けた声を聞くと空耳や気のせいなどではなさそうだ。
「それで、どの子が狙いなのだ?友江殿か?鈴美殿か?あご代殿か?……ま、まさかママッ!!」
ヅラ子は淡々と青ヒゲメンバーの名前を言っていく。どうやら銀時が青ヒゲメンバー目当てに来たと思われているようだ。