銀魂倒幕編’(幕府VS天人)

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万事屋から出て外を歩く銀時はハァっとため息をついた。
感じる感じる、自分へと向けられた視線が……
数日前から明らかに監視されているのがまる分かりの視線を感じるのだ。
最初はまた土方がジミーこと山崎をよこしたのかと思っていたのだが、ジミーにしては気配を消すことが下手過ぎる。

――一応、新八や神楽にはバレないほど気配を消せれるようだが、歴戦を繰り広げてきた猛者たちは誤魔化されない。
すでに、銀時の周りにいる何人かが気付いては、心配そうに銀時を見つめるのだ。

(ったく、なんだってんだ)

銀時は後ろに感じる気配にチッと舌打ちをし、苛々しげにかぶき町をフラフラと歩く。





しばらくかぶき町をねり歩いていると、目の前から誰かが歩いてくるのを見つけた。
その人物は黒い制服をなびかせ、栗色のサラサラの髪、それに口元をニタリとドSちっくににやつかせている。

「あー、巡回めんどくせぇ。ほんと土方死ね死ねーー」

その人物はブツブツと小粋の良い独り言をめんどくさげに呟いている。
「おや?」

栗色の髪の人物が前方の銀時に気づいたようだ。一瞬目を見開いたかと思うと先程とはうって変わって嬉しげな笑みを浮かべて近付いてきた。

「だん……」

栗色の髪の人物は銀時に話しかけようと手を上げて銀時を呼ぼうとするも、手を上げた状態で止まった。
どうやら銀時にまとわりついた鬱陶しい視線に気付いたようだ。一瞬で眉間にシワを寄せ不機嫌極まりないといった感じで銀時に視線を送る人物の居る方向をチラッと見た。

(あれは……白い制服――見廻り組の奴らですかィ)

栗色の髪の人物は眉を寄せたまま銀時の横を横切り、小さくボソッと呟いた。

「白いワンコに気をつけて下せェ」

銀時はその言葉を聞くと、心の中で深くため息をついた。そして、ある場所に向かって歩き出した。




銀時は目的の場所に着くと歩みを止めた。銀時が歩みを止めた場所には店の看板がデカデカと置かれていた。看板にかかれた文字はかまっ娘倶楽部と書かれていた。
銀時が店に入るとあご美が気付いたようで近付いてきた。

「あら、パー子じゃないの。久し振りねぇ。何?ママにヘルプでも頼まれたの?」

「よぉ、あご美久し振りだな」

あご美の言葉に銀時は手を上げて挨拶した。そんな銀時にあご美は眉間にシワを寄せて怒鳴った。

「誰があご美!?あずみだって何回言ったら分かるんじゃボケェェエ!!」

あご美はいつものように怒鳴るが銀時は気にも止めず耳の穴に小指を突っ込んでほじりながら面倒くさ気に言った。

「ヅラ子指名したいんだけど」

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