銀魂倒幕編’(幕府VS天人)
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さて、真選組に不穏な情報が入ってきたその頃――
万事屋では、銀時が顔をしかめて何やら考え事をしていた。
「銀さん、そんな顔をしかめてどうかしたんですか?」
新八が心配そうに聞いてきた。
神楽も定春の頭を撫でながら銀時を心配そうに見つめている。
「あ?……あー、最近糖分取ってねぇなっと思ってよォ。銀さん糖分不足で死んじゃうわ」
そんな二人の視線を誤魔化すよう、銀時はおちゃらけた口調で言った。
「いやいやいや、あんた昨日チョコレート食べてたじゃないですか!!」
銀時の言葉に新八は鋭く突っ込んだ。
「オイオイ、新八、何言ってんだ――あれくらいで足りるわけないだろ、昨日のチョコレートをあと、100個ぐらい食べねぇと満足しねぇわ」
「じゃあ、私は1000個くらい食べないと満足しないネ」
銀時は当然と言った感じで胸を張った。そんな銀時に神楽も悪のりをして同じく胸を張って言う。
「それは食べ過ぎだァァア!!ってか銀さん、いい加減にしないと糖尿病になりますよ!!神楽ちゃんもそんなことじゃ将来銀さんみたいになるよ」
「糖尿病、上等だゴラァァア!!」
新八の言葉に銀時は大きな声で肯定する。神楽は眉を寄せてきっぱりと言った。
「銀ちゃんみたいは、嫌ネ。しかたないから500個に減らすヨ」
「オーーィィイ!!神楽ちゅわん、それどういうことォォオ!?」
神楽の言葉に銀時は叫んだ。
そして、立ち上がる。
「ん?銀さん?」
「銀ちゃん?」
そんな銀時に、二人は不思議そうに首を傾げて見つめた。
「ちょっくら、出てくるわ」
「へ?どこにですか?」
「ま、待ってヨ。銀ちゃん、私も……」
玄関へと向かう銀時に二人は慌ててついて行こうとするも、銀時がやんわりと手で制したのに気づき仕方なさげに見送った。
「……銀さんどこに行ったんだろう」
新八は銀時の背中を見送るとボソッと小さく呟く。
神楽はその呟きに眉を寄せ、不安そうに銀時の名前を小さく小さく呟いた。
「……銀ちゃん――」