短ブック

□本能少女は反論知らず
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目がチカチカしそうな黄色

海賊の船には合わなさそうな潜水艦

これまた海賊のマークとは程遠くかわいらしいデザインのハートの海賊団マーク

船長は確かにそれに見合う器があるけど、変だし気分屋だし『死の外科医』なんて言われるような医者だし

医者は医者でも不養生な訳でピアスはするは刺青入れてるは常に目の下に隈をこさえてるわ

あれ、なんか海賊っぽくもないしで医者っぽくもないしで一体この集団はなんだ

いや、分かってるよ?

腐ってもそうに見えなくてもうちは海賊で医者の船長もっててみんなある程度の医療は知ってるよ

「はい、そこで問題です」

「・・・・・」

「何故私はローの彼女でしょうか」

ああ、私はロー・・・つまりこの船の船長の彼女です、ウェーイ

そしてその私の彼氏様はいつもの奇天烈な質問に慣れてるからか冷めた目で見る

いやん、そんな目で見ないで〜(棒読み)

「んなの俺は知るか」

うん、やっぱりというか当然アホとかクズ見る目してる

やだ、この目は何かときめいちゃうっ

・・・・私の名誉とかその他諸々のダメに言うけど別に私にMっ気がある訳じゃないからね

ただの嗜好です、ええほんと

「え〜、ローなら私の事なんでも知ってるでしょ〜?」

「知らん」

「あ、即答」

「気持ち悪い事言うな」

「ひっどーい」

「ひどくない」

うん、ローはひどくない

むしろ素敵っ

だってお仕事してたのに私が話かけたらすぐにそれをやめてこっち見て相手してくれるし

ふふ、いっつもそう!

私の事を一番に考えてくれる

冷たくしているようで誰より私に優しい!

「ふふ・・・っ」

「なんだ、気持ち悪い」

ほら、今だって気持ち悪いって言ってるくせに私の隣に移動してくる

「問題の答えが分かったの・・・ふふふっ」

「自問自答か・・・・つかその笑い方やめろ。鳥野郎を思い出すだろうが」

鳥野郎・・・・ああ、あのピンクのモサモサしてるフッフッフッな方ね

それは嫌だね、ローに嫌われるし

「うん、やめる。絶対、やだ」

「それでよし・・・」

あれ、なんかものすごぉぉぉくローホッとしてる気がする

頭撫でてくれるとかもう悶えそう

「それでね、答え教えてあげよっか〜!」

「なんで上から目線なんだ、お前は」

「だってロー分かんないでしょおおおお!」

「分からんでもいい」

「でも興味はある?」

「・・・・別に」

あ、本当の本当にほんとに少し

ミクロサイズよりもっと小さい位には興味を持ってるはず

「ではでは、答えが分からないローの為に私が教えて差し上げましょう!」

「上から物を言うな。バラされたいか・・・?」

「でねでね〜」

「無駄にスルースキルあげてんじゃねぇ」

「答えはというとドゥルルルルルルルルッ」

「はあ・・・・」

溜息を吐きながらもローは私の言葉を待ってくれる

ドゥルルルッ言ってる口がどうもニヤけてしまう

「ドンッ」

ちょよっとこれ言ってて疲れたから早々に終わらせよう

ついでに息続かなかった

悔しいねっ!

別にそうでもいいよっ

はいはい本題!

「ローが私を一番に考えて一番大切にしてくれて、とにかく一番にしてくれてるから!」

もうニヤケた顔も知るか

それですら喜びのせいだという事にしてローにタックルする勢いで抱きつくのだった

そりゃもう、ローがむせ返る位にね!


本能少女は反論知らず


「げほっ・・・・そりゃ当然だろ」

「・・・ありゃ?考えてた反応と全然違う」

「なんだ、冷たくして欲しかったか?」

「ん〜ん、どんなローも全部好きだから」

「くくく、そうか」

「うん、ローもそうでしょ?」

「自分で言うか?」

「今言ったしローは絶対そう思ってるもん」

「くくく、それに反論してみてぇもんだな」

「できるならどーぞ?」

「出来たら苦労しねぇよ」

END
 

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