短ブック

□突発的建前、本能的告白
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体、全体で感じる事のできる戦いに対しての自信と焦燥感

鼻をくすぶる血と火薬のにおい

ガゥンッ、ガキンッ

銃を撃つ音や剣がぶつかり合う音

そして・・・・・ガキィィィンッ

この手に慣れた剣がぶつかる振動

顔を最大限にしかめる相手に対して私はニヤッと笑う

それに一瞬相手が驚き隙が出来た

その隙をついて思いっきり叩き潰す

相手が倒れて動かなくなったのをしっかりと見届けて後ろを振り返る

大分片付いたとはいえまだまだたくさんいる

これだから数だけが多い海賊は困る

ああ、もちろん白ひげ海賊団は除くけど

ペロリと乾いた唇を舐め上げて敵をしっかりと見る

一人、二人・・・と狙いを定めて一気に倒す算段をたてる

そしてまた同じように唇を舐め上げて走り出す

私は女で力が弱くて背が低いけど、それを強みにする事が出来る

力が弱いから、剣を引く動作で相手の隙を作れる

背が低いから相手につかまる事なく斬りつける事が出来る

全部教えてもらった

この世界で一番好きなローにね

『この世』の方がよかったかなぁ?

「・・・・あ」

そういえばローはどこいるんだろ

「・・・あぁ・・・・わかりやす〜い」

少し先に薄い膜が張られた場所があった

私は一直線に駆け足でいく

もちろん、その途中にいるやつらを殺るのも忘れない

忘れたら命取りだし、当然

ローの表情が見える位の位置についた時点で私は立ち止まった

その顔は自信に満ち溢れ、そして余裕の笑みが浮かんでいる

ああ、そんな表情も好きだなぁと思ってると無謀にも敵が向かっていく

「バカだなぁ」

勇敢と無謀は違うのに、ほんとバカみたい

でもまぁ、ちょっと感謝

「シャンブルズ」

長くて綺麗な指が自由自在にパーツをくっつけていく

一歩も動く事なく敵を倒し、戦意を喪失させるそれにとても魅力と美しさを感じる

でも・・・・それを少し位崩したいと思うのも当然だよね

「くくく」

ローの笑い声に少し下げていた目線を上にあげる

しっかりと交じり合った剣

しかしローの刀は鞘から抜かれていない

そのうえ私の剣はすぐにローの手により奪われ、放り出された

それをつまらなく思って唇を尖らせれば腰を引かれた

「何したかったんだぁ?セレナ」

「ちょっと大物に膝カックンしに」

「くくくく!それで?」

「それでローの余り余った余裕を少し位おすそ分けしてもらおうかと・・・・」

「本音は」

「ローがかっこよすぎてツライね」


突発的建前、本能的告白


「くくく、お前の方がかわいすぎてツライぞ」

「うっそ!」

「俺が嘘をつくとでも?」

「時と場合と人による〜」

「そうだなぁ。だが、俺がお前に嘘をつく確率は?」

「果てしなく0に近い!」

「よく出来ました・・・って言った方がいいか?」

「ん〜、ご褒ー美のチュー」

「くくく、はいはい」

END
 

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