短ブック
□ニヤリと笑った未来に跪く
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毎日がつまらない。
つまらなくてつまらなくて仕方ない。
声を張り上げる市場の人間も、広場で遊ぶ子供も、ゆったりと歩く老夫婦も。
まるで箱庭の中に入れられた人形のようだ。
ねじまき人形がただただ同じ動きをするだけ。
海賊が町を荒らしたというニュースも聞くが、この島はまったくの無縁。
大物ルーキーが騒がれている中でもこの町は何も変わらない。
「とってもつまらない。」
変わらない日常にイラつく。
・・・・何も行動を起こせない自分にはもっと。
変われるチャンスさえあれば・・・。
何度そう思ったことだろうか。
その度にそんなチャンスは一生こないと否定した。
空と海の境界線を見てたって何も起こらない。
キュッと唇を噛みしめる。
「はぁ・・・そろそろ飯の調達でもいこ。」
私はその場から立ち上がりクルリ・・・と海に背を向ける。
・・・・この場に二度と戻ってくることがないと知る由もなく。