短ブック
□微睡むエスコートに身をまかせて
1ページ/2ページ
今は何時だったけか。
ボーッとし始めた頭を無理矢理起こして時計を見る。
時計の針はちょうど12時を指してる。
そりゃあ眠い訳だ。
しかし今からベッドに行こうなんて思わない。
体を動かすのがダルいというのも一つの理由だが、最大の理由は・・・。
「セレナ?どうした?眠いのか?」
私の隣に私と同じように本を読むローがいるから。
「ううん。眠くない。」
そう言ってローの方を見上げたら少し呆れたような顔をした。
「嘘つくな。目が半分閉じてんぞ。」
私が持っている本を取ろうとする。
しかし私はローと反対方向に腕を伸ばした。
するとやはりというか、怪訝そうな顔をした。
「大丈夫だもん。まだ起きてる。」
そう言って本に目を落とすが全く内容が入ってこない。
というか字が霞んで見えない。
そうしてると勝手にしろ、とでも言わんばかりに溜息をつかれた。
それでも私の腰にまわしてる手は放さない。
私は先程より少しだけローによりかかる。
すると腰にまわしていた手を上げていき、ポンポン・・・と頭を撫でた。
「やっぱり眠いんだろ。」
ローは本を閉じて机の上に置く。
「ううん。眠くないもん。」