短ブック
□全ての言動に愛を詰め込んで
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普通の人間はいろいろな夢を見るのだろう。
だが、私が見る夢はただ一つ。
赤・・・・・。
それが私の夢。
赤、赤、赤、赤・・・・・。
どこを見ても赤で埋め尽くされた場所。
赤だけで形成されている訳ではない・・・。
焦げ臭い匂、木々のざわめきすらない静寂・・・転がる死体。
そしてそれをやったのは確かに私で、中央に立つ私は・・・・。
ワ ラ ッ テ ル ・ ・ ・
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
「っ!!あっ・・・・はぁ・・・・はぁ。」
飛び起きて肩で浅い呼吸を繰り返す。
「ふ・・・・はぁ・・・・。」
私はベッドの上に膝を立ててうずくまる。
「・・・・なんで・・・・?」
何度口にしたか分からない程、私はこの疑問を何もない部屋にぶつけている。
しかし、私はこの答えをちゃんと分かっている。
分かっているくせに私は知らないフリをしようとする。
・・・・そんなフリ、出来もしないけど。